( 300393 )  2025/06/19 04:17:44  
00

花街&接待文化どうアップデート? 

 

 芸妓や舞妓がお客さんをもてなす「花街文化」。その伝統文化の問題をめぐって、元舞妓と弁護士らが団体「舞妓と接待文化を考えるネットワーク」を立ち上げた。今月5日の会見に参加した、元舞妓の桐貴清羽氏は3年前、舞妓の世界の闇について告発した。 

 

「当時16歳で浴びるほどのお酒を飲まされ、お客さんとお風呂入りという名の混浴を強いられた。これが本当に伝統文化なのか。今一度かんがえていただきたい」(桐貴清羽氏のXより) 

 

 投稿はさまざまなメディアで取り上げられ、大きな話題となった。桐貴氏が問題視するのは、未成年への飲酒の強要といった違法行為や、一度入ったら非常に辞めにくいという構造。こうした告発にネットでは「違法性のある事は文化として認めてはならない」「何百年も続く伝統、無くなってほしくない」との声があがっている。なぜ問題はなくならないのか。花街文化をどうアップデートすべきなのか。『ABEMA Prime』で、元舞妓と考えた。 

 

桐貴清羽氏 

 

 桐貴氏は、告発から3年経って団体を立ち上げた経緯について、「シングルマザーで2人育ててるので、子どもの体調や私自身の体調など、いろんなことが積み重なった。また今回、一緒に頑張っていこうと声を上げてくださった弁護士さんの方々もいたので、立ち上げることになった」と説明。 

 

 桐貴氏が花街文化の問題点としてあげている「未成年の違法行為」は、毎日浴びるように飲まされる「未成年飲酒」。朝4時〜深夜12時すぎまで働く「長時間・深夜労働」。着物の袖から手を入れられるのは当たり前で、客と温泉に行き混浴・客の下半身を洗うなどの「性加害・セクハラ」があげられる。 

 

 こういった点に加えて、桐貴氏は当時について、「携帯電話を所持することが許されていなく、連絡手段は手紙か公衆電話だったので、悩んでいることを連絡できない。ほとんど仕事をしているので時間もないが、そもそも舞妓さんの話を外に出すこともタブー。分かってもらえないし、弱音を吐いたら、『根性がない』と言われてしまうので、胸の内に秘めていた」と明かす。 

 

 もうひとつの問題点にあげている「一度入ったら辞められない状況」については、「年季奉公が法律的に問題あるが、お給料がもらえないので、辞めても、高校は出ていない、知識もない。帰れる家がある子はいいが、私の場合はシングルマザーだったので、親に頼ることができない。ちゃんとした会社に勤めたいと思っても、そのトップの方がお客様だったりするので、面接の時点で『社長がお世話になっております』と言われて、おしまいになってしまったりする」と述べた。 

 

 

花街の仕組み 

 

 一方で、舞妓などの保存継承などを手掛ける 「おおきに財団」(京都伝統伎芸振興財団)担当者は、桐貴氏がツイートした内容について、現在及び在籍していたとされる時期においてもそのような行為は一切なかったと報告。改めて「20歳未満の舞妓については飲酒禁止を徹底すること」「芸妓舞妓の人権を守ること」 など法令順守やコンプライアンスの徹底を確認している。 

 

 また、2022年6月に番組で取材した元舞妓さんは、桐貴氏のツイートについて、「自分はそのような経験をしたことがなかった。ツイートを見て驚いた」「飲酒については、私のいた花街では20歳まではない」「お茶屋さんによって個性はあるが今は厳しくなっている」と答えている。 

 

謎ルール 

 

 ケンドーコバヤシは、桐貴氏の告発について「勇気あって偉いと思う」と称賛。一方で「リアルユーザーは本物の金持ちと権力者。伝統やカルチャーを外部から壊してしまうのは、とんでもないことにも繋がる。だから、内部改革しかないと思う。現役の方たちにも声を上げてもらって、業界から直していくしかないのでは?」との見方を示す。 

 

 「舞妓と接待文化を考えるネットワーク」、弁護士の岸松江氏は「桐貴さんに続く告発をしていただける方はまだいない。まずはネットワークを通して、相談活動をしたい。ただ、2年前、京都市に『こういう実態があるんじゃないか?調査してほしい』と申し出はしている。そのあとの情報はなく、野放しになっている」。 

 

  桐貴氏は、内部改革について、「やっぱり15、16歳で、意見を言うことすら許されなくて、自分の考えが分からなくなっていく。この先、何年も我慢し続けて、後輩だけは守って、変えられるのか…私だったら折れている可能性の方が高かった。また、利用者が権力者の方々ばかりで、抵抗すると何があるかわからない」と語った。 

 

 花街文化はどうなってほしいのか。「舞妓さんの世界には『芸は売っても身は売らず』という言葉があるが、本当にそうなってほしい。そもそも接待を受ける側の人が、人権意識、敬意を払えるようになってほしい」と願った。 

 

 岸松氏は、「舞妓文化を整理した方がいいと思っている。芸や踊りは残すべきだが、今の法律上で未成年飲酒は禁止されてる。もちろん性接待もダメなので、法律に則って、アップデートしていかないと、舞妓という文化が残っていかない」と述べ、起業家・投資家の成田修造氏は「線引きをした上で稼げるようにすることも必要だ」と付け加えた。 

 

(『ABEMA Prime』より) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

IMAGE