( 301230 )  2025/06/22 03:35:04  
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夏の参院選公約を発表する参政党の神谷宗幣代表(左)=6日、国会内【時事通信社】 

 

 時事通信社の6月世論調査によると、参政党の支持率は2.5%で、5月から大幅に(1.6ポイント)伸ばした。これに対し、日本維新の会は1.6%(前月比0.7ポイント減)と続落。両党の支持率は逆転した。(時事通信解説委員長・高橋正光) 

 

 調査は13~16日に、全国の18歳以上の2千人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は58.1%。 

 

 両党以外の支持率は、自民18.9%(前月比1.7ポイント増)、立憲民主4.4%(同±0)、国民民主3.4%(同2.3ポイント減)、公明2.8%(同0.9ポイント減)、れいわ新選組1.5%(同0.4ポイント減)、共産1.4%(同0.5ポイント増)の順。参政の支持率は、れいわも抜き、全体で5位となった。 

 

 参政の支持率を年代別に見ると、「18~29歳」3.4%(同2.6ポイント増)、「30歳代」3.6%(同2.4ポイント増)、「40歳代」3.8%(同2.7ポイント増)で、中年以下の世代の支持が大きく伸びた。 

 

 地域別では、東京23区と政令指定都市の「21大都市」3.6%(同2.7ポイント増)、「その他の市」2.0%(同1.0ポイント増)、「郡・町村」2.6%(同1.7ポイント増)。「21大都市」に限れば、支持率は自民(15.1%)、立民(4.7%)に次ぐ3位で、初の議席獲得を目指す東京都議選の投開票を22日に控え、勢いづいていることがうかがえる。 

 

日本維新の会の定期党大会で握手する吉村洋文代表(左)と前原誠司共同代表=3月1日、東京都千代田区【時事通信社】 

 

 一方、維新の支持率が2%を切ったのは、2024年8月(1.8%)以来、10カ月ぶり。同党は今年2月、自民、公明両党と高校授業料の無償化などで合意し、25年度予算の成立に協力。野党としての「実績」をアピールした。4月の調査では、3.1%まで支持率が回復したが、効果は一時的だったようだ。 

 

 そもそも、維新は前々回21年10月の衆院選で、政権批判票の受け皿となり41議席に躍進(公示前比30議席増)。支持率が5.9%に上昇した23年5月から11月まで、7カ月連続で立民を上回った。昨年10月の前回衆院選では38議席に後退し、吉村洋文代表(大阪府知事)、前原誠司共同代表の体制に代わったが、23年当時の勢いは完全に消え、支持の低迷状態が続いている。 

 

 

夏の参院選比例代表に擁立を予定していた山尾志桜里元衆院議員について、公認決定見送りを表明する国民民主党の玉木雄一郎代表=11日午後、国会内【時事通信社】 

 

 国民民主の支持率(3.4%)は、議席を4倍増(28議席)させた前回衆院選後の最低を更新。この結果、支持率に変化のなかった立民(4.4%)を6カ月ぶりに下回った。特に、今年3月には、8.0%まで伸ばしており、わずか3カ月で、半分以下に落ち込んだ。議員の不祥事や山尾志桜里元衆院議員の参院選での公認内定取り消しの混乱などが、影響したとみられる。 

 

 年代別の支持を見ると、「18~29歳」5.0%(同6.0%減)、「30歳代」5.8%(同6.5ポイント減)、「40歳代」5.3%(同2.7ポイント減)と、若い世代で支持が激減。性別では、男性4.1%(同4.0ポイント減)、女性2.7%(同0.2ポイント減)で、高かった男性の支持がほぼ半減した。 

 

 地域別では、「21大都市」3.3%(同3.7ポイント減)、「その他の市」3.8%(同1.6ポイント減)、「郡・町村」1.7%(同1.9ポイント減)と、大都市での下落が大きい。都議選での初議席を目指す国民民主にとっては、参政とは対照的に、不安材料だ。 

 

 石破茂内閣の支持率は27.0%(同6.1ポイント増)に回復したものの、自民党の支持率は18.9%で、昨年12月から7カ月連続で2割に届かなかった。小泉進次郎農水相のコメ高騰対策が評価され、内閣支持率を押し上げたと見られるが、自民党の支持を大きく伸ばすには至っていない。 

 

 そもそも、政権の安定度を示す、内閣支持率と自民党支持率を足した数字(いわゆる青木率)は45.9%。政権運営に早晩行き詰まるとされる危険ラインの5割を切ったままで、石破政権発足直後の昨年10月(46.9%=内閣28.0、自民18.9)をも下回っている。数字の上では、政権末期の状態から抜け出せないままだ。 

 

◆筆者プロフィール◆ 

高橋正光(解説委員長) 1986年4月時事通信社入社。政治部首相番、自民党小渕派担当、梶山静六官房長官番、公明党担当、外務省、与党、首相官邸各クラブキャップ、政治部次長、政治部長、編集局長などを経て、2021年6月から現職。 

 

 

 
 

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