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2023年7月1日に道路交通法が改正され、免許不要で電動キックボードなどを運転できるようになり、特に「LUUP」というシェアリングサービスが成長しました。

しかし、利用者数が減少しているとの声もあります。

20代のユーザーは「利用する場面がない」「料金が高い」といった理由を挙げ、また通行する車との接触や交通ルールに不安を感じています。

シェアリングサービス全体としては、若年層の離れが進んでいることから、高齢化するサービス提供環境が指摘され、ユーザーの行動が今後の展開に影響を及ぼす可能性があることが示唆されています。

一方で、観光地などでは新たな用途が模索されており、電動キックボードの将来に注目が集まっています。

(要約)

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2023年7月1日に道路交通法が一部改正され、一定条件を満たした電動キックボードなどの特定小型原付を、免許不要で運転することができるようになりました。こうした流れを受けて、電動キックボードのシェアリングサービスも増加しました。 

 

なかでも、一躍有名となったのが「LUUP」です。 

 

2020年に都内でサービスを開始したLUUPは、2025年6月時点で1万3500か所以上のポートが設置されているほか、アプリダウンロード数は450万を超えるなど、わずか5年のあいだに国内最大級の電動マイクロモビリティシェアリングサービスに成長しています。 

 

一方、インターネット上では「最近、電動キックボードを見なくなった気がする」というコメントも見られます。 

 

LUUPを運営するLuup社は、LUUPの利用者数の推移について具体的な数値を明らかにしていません。 

 

ただ、渋谷区内の企業に勤務するある男性は「1〜2年前と比べて、電動キックボードの数は明らかに減った」とし「特に若い人の利用者が減っているように思う」と話します。 

 

当初は“若者向けの乗り物”という印象の強かった電動キックボードに、いったいなにが起こっているのでしょうか? 

 

シェアリング型電動キックボードの利用経験があるという20代の男性は、次のように話します。 

 

「サービスが登場したころは興味本位で利用してみたりもしましたが、実際にはあんまり使う場面がないです。 

 

一度遠出をしてみたんですけど、振動で手とか足が疲れちゃってしんどい。というか、歩ける場所なら歩いちゃったほうが速いし。 

 

そもそも、遊ぶときはだいたいお酒が入るので乗れないんですよね」 

 

また、ある20代の女性は次のように話します。 

 

「渋谷から表参道まで移動すると、だいたい300円くらいかかります。 

 

それなら電車のほうが安いし、それか友達と一緒にタクシーに乗って割り勘したほうがいいと思います。バッグや荷物があると乗りづらいし…。 

 

あとは、交通ルールがよくわからないし、すぐ横でクルマが走っていると考えると怖いです」 

 

さらに、10代の男性はより辛らつな意見を述べます。 

 

「ぶっちゃけ、電動キックボードに乗ってる姿ってダサくないですか?オジサンやオバサンが乗っているのを見ると、『イキってんな〜』って思っちゃいますね」 

 

 

電動キックボードは、クルマを運転するドライバーを中心に、目の敵にされることが珍しくありません。 

 

ただ、前出の20代の男性は「そういったことは特に気にならない」としたうえで次のように続けます。 

 

「クルマも電動キックボード(特定小型原付)も、『法律で認められている乗り物』ものという意味では同じですよね。 

 

法律を守っているのであれば、クルマに乗る人から『邪魔』と言われるのは筋が通りません。なんなら、クルマだって危ない運転をする人は多いですし。 

 

ただ、正しく使っていても邪魔者のように見てくる人が多いので、無用のトラブルに巻き込まれそうで怖いというのはありますね。いまの若者は合理的だから、そういったリスクは取らないと思います。 

 

若者のユーザー離れは、そういった思考も影響しているのかもしれません」 

 

ある業界関係者は、電動キックボードシェアリングサービスの現状について次のように話します。 

 

「具体的な数値は不明ですが、電動キックボードシェアリングサービスのMAU(=1か月あたりのアクティブユーザー数)は低下していると言われています。 

 

その要因は、やはり若年層が離れつつあることにあるようです。新しいサービスがリリースされた直後は、ものめずらしさから若いユーザーを中心に利用者が増加する傾向があります。 

 

その後、当初は様子見をしていた高年齢層がじょじょにサービスを利用しはじめ、そのサービスが定着したころには若いユーザーが離れていくという現象は、近年さまざまなサービスで見られます。 

 

その代表的な例が『Facebook』です。アメリカの大学生向けSNSとしてはじまったFacebookですが、日本でも若いユーザーから利用者を伸ばしました。 

 

一方、その後は高年齢層が中心となり、現在ではアクティブユーザーの大半が50代以上とされています。 

 

ただ、日本は少子高齢化社会であるため、全国区のサービスになるとユーザーの年齢層は自然と高齢化します。そういう意味では、電動キックボードのシェアリングサービスは次のフェーズに移行しつつあると言うこともできます」 

 

画像:アフロ 

 

「若者離れ」が叫ばれる電動キックボードですが、その一方で、観光地での移動の足として活躍するケースもあるなど、これまでとは違った活用方法が模索されています。 

 

「ラストワンマイル」を実現するモビリティとして期待されている電動キックボードには、さまざまな意見があるのも事実です。ただ、良くも悪くも多くのユーザーが気にする存在となっており、その今後に注目が集まっています。 

 

(終わり) 

 

(写真:アフロ) 

 

carview! 文:ピーコックブルー 

 

 

 
 

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