( 303505 )  2025/06/30 04:25:47  
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首相官邸 

 

 石破茂内閣が発足した昨年10月から3月末までの半年間で、内閣官房報償費(機密費)を6億2940万円支出したことが、内閣官房内閣総務官室への情報公開請求で分かった。機密費は使途が非公表で政界の「ブラックボックス」とされる。歴代内閣と同じく年度末までに予算額をほぼ使い切っており、不透明な運用が続く。 

 

 機密費は官房長官が出納管理し、使途の報告義務はない。国は公表しない理由に「高度な機密性」を挙げるが、政治家への餞別(せんべつ)や選挙対策など本来の目的から外れた使途に充てられた疑惑が相次ぎ浮上している。 

 

 出納管理簿によると、石破内閣では、昨年10月4日から今年2月27日までの入金が計12回。林芳正官房長官が、各5~6千万円を担当者に請求していた。 

 

 支出は、政策推進費が計6億1380万円で全体の97・5%を占めた。月1回ずつ計6回、9200万~1億1850万円が林氏に渡っていた。林氏が管理し、自身の判断で自由に使える。領収書が要らず、何に使ったか分からない。 

 

 石破首相が公邸での衆院1期生議員との会食の際に総額150万円の商品券を配った3月3日には、政策推進費として1億1850万円を引き出していた。当時、原資に機密費が疑われたが、首相は同月の参院予算委員会で「私費で、機密費ではない」と否定している。 

 

 政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「機密度に応じて将来は公開するという歯止めをかけなければ裏金になる可能性がある。機密費が公金である以上、参院選で政治改革の論点の一つにすべきだ」と訴える。 

 

 

 
 

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