( 303775 ) 2025/07/01 05:01:09 0 00 新宿での街頭演説後に写真撮影に応じる国民民主党の玉木雄一郎代表(左)と須藤元気氏(右)
国民民主党は2025年6月30日、東京・新宿駅西口で街頭演説会を開き、玉木雄一郎代表や、参院選(7月3日公示、20日投開票)に党公認で比例区から出馬する須藤元気氏らが政策を訴えた。
須藤氏は、新型コロナウイルスのワクチン接種やマスク着用などの感染対策をめぐり、否定的な発信を続けてきた経緯があり、擁立発表直後から、いわゆる「反ワク」だとして批判が続いていた。そのため、本人からの説明を求める声が相次いでいた。須藤氏はこれを、玉木氏、党所属の医師国会議員との鼎談(ていだん)動画の中で披露。自らの過去の発言を「科学的根拠に乏しい発信だった」などと述べ、動画公開数時間後にも報道陣の前で同様の反省の弁を述べた。
■「科学的根拠に乏しい発信だったんだな、というところは反省している」
須藤氏の発信で主に波紋を広げていたのがXの書き込みだ。25年4月5日にも、接種後の健康被害報告に関する報道を引用し「報告されている健康被害の数を考えると、現在も接種が継続されている状況には疑問を感じざるを得ません」としていた。
そんな中で、「須藤元気さんに科学の大切さを伝えました」と題した動画が、24年の衆院選で初当選した福田徹衆院議員(愛知16区)のアカウントで公開された。27分ほどの長さで、救急科の医師として長く活動した福田氏が、副反応や治験の意味、須藤氏の発信の問題点などについて説明し、須藤氏が
「ご指摘をいただいて、自分自身、科学的根拠に乏しい発信だったんだな、というところは反省している」
と応じていた。
動画公開の数時間後に行われたのが、新宿での街頭演説だ。演説直後に、玉木氏、須藤氏が並んで報道陣の取材に応じ、玉木氏は須藤氏の過去のXの発言について
「正直申し上げて、科学的根拠に乏しい発言があった。このことは本人にも反省を促したところだ」
と説明。その上で次のように述べた。
「そのこと(須藤氏の発信)によって、あの(コロナ禍の)時大変な過酷な環境の中で、患者の命を救う、あるいは重症化を防ぐという観点から、本当に使命を果たしておられた医療従事者の皆さんに、精神的にも肉体的にも大きな負担をかけてしまったことについては率直にわびるべきだということを申し上げた。動画の中でも既におわびをしているが、改めて皆さんに、そのことをしっかり表明をさせていただきたい」
これに続く形で、須藤氏も過去の発信について「本当に深く反省している」。その上で、
「そして私の発言、発信により、当時一生懸命働いた医療従事者の方に、心身ともに大きなご負担をおかけしたことを心からおわび申し上げる」
と述べた。
須藤氏がワクチンをめぐる発信を始めたきっかけは、友人がワクチン接種後に、職場で倒れて死去したことがきっかけだという。このことが原因で不安が強くなり、ワクチンによる健康被害を訴える人や副反応のリスクを主張する学者に話を聞いたという。その中で
「何事もリスクとベネフィットがある中で発信していかなければいけないというのは、自分なりには認識」
していたというが、発信した中には「私自身の言葉足らずであったり、その中には事実と反するもの」があったとして、「改めて反省している」と述べた。
当選後にワクチンをめぐる陰謀論にどう対応するか問われると、須藤氏は
「国民民主党の一員として、科学的根拠に基づいた実効性のある感染症対策をやっていくべきだというのは、私は認識しているので、党の仲間とともに発信していきたい」
と応じていた。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)
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