( 303813 )  2025/07/01 05:47:28  
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中国政府は、2023年8月から続けていた日本産水産物の輸入禁止を約2年ぶりに解除しました。

ただし、福島県を含む10都県に対する禁止措置は引き続き維持されます。

日本の水産業者が再登録すれば、他の37道府県からの水産物の中国向け輸出が可能になりますが、輸入には1~2か月の時間がかかります。

中国外務省は、引き続き食品安全を確保し、問題が見つかった場合には必要な輸入制限を行う方針です。

また、日本産水産物の輸入額は大幅に減少しており、中国市場でのブランド力回復にはさらなる努力が必要と指摘されています。

(要約)

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「水産物は日本からの輸入品ではありません」と掲示された日系スーパーのすし売り場(2023年8月、北京で) 

 

 【北京=照沼亮介】中国政府は29日、2023年8月から続けていた日本産水産物の輸入禁止を約2年ぶりに解除した。29日から輸入が認められるものの、実際に水産物が中国に入るまでには1~2か月かかる見通しで、福島県など10都県に対する禁止措置は維持されたままとなる。 

 

 中国税関当局によると、日本の水産業者が中国当局に輸出業者として再登録すれば、北海道や青森など37道府県の水産物は登録日から中国向けに出荷を再開できる。処理水放出前と同様、日本政府が発行する放射性物質検査などの証明書は提出する必要がある。 

 

 中国外務省の毛寧(マオニン)報道局長は30日の記者会見で、「引き続き監督・管理を強化し、国民の食品安全を確保する。万一問題が発見された場合、必要な輸入制限を講じる」と説明した。 

 

 日中両政府が5月下旬、再開に向けた手続きに合意した後、中国は1か月足らずで輸入再開に踏み切った。トランプ米政権との貿易戦争を抱える習近平(シージンピン)政権には、アジア周辺国との関係改善を急ぐ思惑があるとみられる。小泉農相は30日、報道陣に対し「中国向け輸出が再開されることは大きな節目だ」と述べた。ただ、この2年余り官製メディアなどで処理水の危険性を広くけん伝してきたため、10都県の再開には引き続き慎重姿勢を取っている。 

 

 中国による日本産水産物(缶詰や魚油を除く)の輸入額は、22年の5億ドル(約720億円)から24年は10万ドルと、ほぼなくなった。みずほリサーチ&テクノロジーズの月岡直樹氏は「一気呵成(かせい)に回復することにはならない。中国国内で節約志向が高まる中、日本産のブランド力と価格競争で支持を取り返す努力が必要だ」と指摘している。 

 

 

 
 

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