( 304430 )  2025/07/03 07:26:38  
00

 【ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ大統領は1日、日本との関税交渉に関して「合意できるかどうか分からない。疑わしい」と述べた。日本からの輸入品に30~35%程度の関税を課す可能性を示唆したほか、9日に迫る「相互関税」の上乗せ分の停止期限の延長については否定的な考えを示した。交渉が難航するなか、米国は日本への圧力を強めている。 

 

 大統領専用機内で記者団の取材に応じたトランプ氏は、「日本はとても強硬だ。あまりにも甘やかされており、合意に達することは非常に困難だ」と語った。「日本はコメを切実に必要としているのに受け入れようとしない。米国の自動車も受け取らない」との持論も展開したほか、巨額の対日貿易赤字について、「非常に不公平だ」と改めて不満を表明した。 

 

 また、「(日本には)30%か35%、あるいは我々が決定する数字を(関税として)支払ってもらう」とも述べた。数字の根拠は不明だが、日本に対する相互関税の税率は24%(このうち上乗せ分の14%は停止中)で、それを上回る水準になる。9日までの上乗せ分の停止期限の延長についても、「考えていない」と明言した。 

 

 日本は米国に対し、一連の追加関税措置の見直しを求めている。4月以降、交渉担当の赤沢経済再生相が7回訪米し、米国側の担当であるベッセント財務長官やラトニック商務長官らと交渉を行った。 

 

 トランプ氏は4月時点で、「日本との交渉が最優先」との考えを示していたが、最近は日本への批判を強めている。6月29日放送の米FOXニュースのインタビューでは、司会者に問われる前に日本を名指しし、自動車貿易が「不公平」と主張。30日には、自身のSNSで、コメの輸入を巡る日本の姿勢を批判した。トランプ氏の行動を巡っては、日米の交渉が進展しないことに、いらだちを募らせているとの見方がある。 

 

トランプ氏=ロイター 

 

 米ホワイトハウスの当局者は1日、読売新聞の取材に対し、「政権は7月9日まで、日本以外の貿易相手に焦点を当てるだろう」と説明。他国との交渉を優先し、日本を後回しにする考えを示した。 

 

 

 米国はこれまでに英国と関税交渉で合意していた。また、中国とは大幅な関税引き下げで一致したが、協議は継続している。 

 

 トランプ米大統領は2日、自身のSNSへの投稿で、ベトナムと貿易協定を締結したことを明らかにした。「米国はベトナムから輸入する全ての製品に対する関税を20%とする」「ベトナムは米国製品への関税をゼロにする」などと説明している。 

 

 トランプ政権は4月に発表した「相互関税」で、ベトナムに計46%の関税を課す方針を示した。 

 

 トランプ氏は貿易協定の締結の発表について、「大変光栄に思う」と投稿。米国製のスポーツ用多目的車(SUV)などの輸出拡大に期待感を示した。 

 

 

 
 

IMAGE