( 304930 )  2025/07/05 06:14:55  
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日本の温泉“そのもの”を海外へ輸出する挑戦 成分を濃縮して輸送可能に 

 

 日本が誇る温泉を世界に輸出できる資源に。その挑戦が今、本格的に動き出しています。 

 

 日々の疲れを癒やしてくれる「温泉」。その魅力は、いまや外国人観光客の間にも広がっています。 

 

 実は、世界にあるおよそ3万2000の源泉のうち、その9割近くが日本にあります。 

 

 そんな日本の“お宝”温泉そのものを海外に届けようと挑戦しているのが、「Le Furo(ルフロ)」の三田直樹社長です。 

 

「温泉を輸出資源だと捉えると、見え方が変わってくる」 

 

 温泉は体積が大きく、長い期間の保存も難しいため、これまで海外へ輸送することは難しかったといいます。その課題を乗り越えるために開発されたのが…。 

 

「温泉を大地からドリップするような製法で、クラフト温泉を作っています」 

 

 「クラフト温泉」とは、温泉の有効成分を現地の鉱物などと何度もかき混ぜて抽出することで、濃度をおよそ1万倍にまで高めた、まさに“温泉のエスプレッソ”です。 

 

 例えば、クラフト温泉わずか0.1リットルをお湯に加えると、1トン分もの温泉成分が溶け込んだお湯になります。 

 

 ルフロは、クラフト温泉の開発や普及に向け、全国50以上の温泉地や旅館と連携。その一つが、山口県・長門湯本温泉の大谷山荘です。 

 

長門湯本温泉 大谷山荘 

大谷和弘社長 

「温浴事業は天候で営業成績がめちゃめちゃ左右される。天候に関係なく安定的な経営をしていく発想のうちの一つで、クラフト温泉みたいなのは非常に面白い」 

 

 東京・麻布十番にあるスパでは、このクラフト温泉を霧状にして浴びる新しい「温浴サービス」が始まっています。 

 

 さらに、ルフロの挑戦は海外へ。来年には、中東でUAEに2カ所、オマーンに3カ所の温浴施設をオープンすることを目指しています。 

 

三田社長 

「中東にはハマムという蒸して体をきれいにするお風呂文化があって、国民の全体の健康推進を国家戦略として掲げている。親和性というところで普及させようと」 

 

 日本の“湧き出る資源”が世界を温め、国内の温泉産業を潤す日は近いかもしれません。 

 

「これからの時代、温泉の価値が出てくると思っている。原油とかよりも高値で取引されてもおかしくないんですよ。水資源は貴重なので」 

 

(「グッド!モーニング」2025年7月4日放送分より) 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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