( 304990 ) 2025/07/05 07:21:50 0 00 15年前の「ミニバン」に乗り続け、自動車税は「年5万1700円」車検も毎回「20万円」超に! 夫婦2人だけなら、もう“軽自動車”に乗りかえたほうがお得? 維持費を比較
子育て期に購入したミニバンを、夫婦2人の生活になってからもそのまま使い続けているというご家庭は少なくないでしょう。しかし、古いミニバンの維持費が家計を圧迫しているというパターンもあるのではないでしょうか。
もう車は普段の通勤と買い物くらいしか使わないし、軽自動車に乗り換えることで、維持費を抑えたいと考える人もいるかと思います。
本記事では、15年落ちのミニバンと軽自動車を比較し、実際の維持費や乗り換えにかかる費用をふまえて、どちらが得かを考えます。
ミニバンの例として、2009年式の日産エルグランド(排気量2.5リットルのガソリン車)を想定します。年間6000キロメートル走行し、レギュラーガソリン1リットルあたり160円、燃費1リットルあたり8.6キロメートルで試算した場合、1年間に必要なガソリン代は約11万2000円です。
加えて、以下の税金や車検費用(日産のディーラーで実施した場合の一例)がかかります。
・自動車税:年5万1700円
・自動車重量税:年換算2万8500円(2年で5万7000円)
※18年を超えると年3万1500円(2年で6万3000円)に増額
・車検費用(点検費用と、重量税を除く法定費用の合計):2年で約7万7000円、1年換算3万8500円
15年経過しているので、自動車税と自動車重量税は重課が適用され、より負担が大きくなっています。エルグランドの年間維持費は合計で約23万1000円です。
重量税を含めた車検費用は13万円ほどですが、車検を通すためにバッテリーやタイヤなどの部品交換をすれば20万円を超えることもあるでしょう。部品交換が必要となれば年間維持費はさらにかかります。
これ以外に、駐車場代や任意保険料も必要です。これらは地域や保険料算定の等級によって金額が違ううえ、乗り換え前後で大きく変わらないと考え、具体的な数字は出しません。とは言え、ミニバンの維持費が家計に大きな影響を与えていることは間違いないでしょう。
次に、軽自動車に乗り換えた場合として、新車の日産デイズを想定します。
燃費は1リットルあたり23.2キロメートルで、年間6000キロメートル走行、ガソリン価格を1リットルあたり160円とすると、1年間のガソリン代は約4万1000円です。ガソリン代だけでも7万1000円の差が生じます。
また、そのほかの維持費は以下の通りです(カッコ内はエルグランドとの差額)。
・軽自動車税:年1万800円(4万900円負担減)
・自動車重量税:年換算3300円(2万5200円負担減)
・車検費用(点検費用と、重量税を除く法定費用の合計):年換算約3万2500円(約6000円負担減)
デイズの年間維持費は約8万8000円です。エルグランドとの差は年約14万3000円となり、維持費が大きく下がることが分かります。
この維持費の差額は、部品交換費用を除いた金額です。新車のデイズより15年乗ったエルグランドのほうが部品交換のコストがかかると予想されます。
したがって、実際の維持費の差はこれ以上になると考えてよいでしょう。
とは言え、軽自動車に乗り換えるには車両代がかかります。デイズの乗り出し価格を164万円、今の車を10万円で下取りに出したと仮定すると、乗り換えに154万円が必要です。
これを支払うために6年ローン(年利3%)を組むと、月々の返済は2万3200円、つまり年間で27万8400円となります。維持費8万8000円と合わせると、初年度からローンを完済する6年間の年間支出は約36万6400円となり、エルグランドより年13万5000円ほど負担が増えることになります。
ただし、ローンを完済する7年目以降の維持費は8万8000円で済むため、以後は年間14万3000円負担を減らせます。最初の数年は新車の購入により負担は増えてしまいますが、将来的には家計の負担を大きく減らせるため、悪くない選択となりそうです。
車の買い替えを考える際には、金額だけでなく使い勝手やライフスタイルの変化にも注目しましょう。
夫婦2人での生活なら、大きなミニバンは持て余しがちです。軽自動車であれば取り回しがよく、近所の買い物や通院など日常の運転も楽になるでしょう。
また、年齢を重ねるほど、車の運転は「できるかどうか」よりも「無理なく安心して続けられるか」が大切となるでしょう。乗り降りのしやすさや視界の確保といった面でも、軽自動車のコンパクトさは生活の安全性につながるはずです。
15年前のミニバンと新しい軽自動車の維持費を比べると、年間で14万円以上の差が生まれます。新車のローン支払い期間については、軽自動車に買い替えた場合のほうが支出が多くなりますが、その後は一気に負担が軽くなるので悪い選択ではないはずです。
短期的には損、長期的には得という構図であり、家計とライフスタイルの両面から、車のダウンサイジングを検討する価値は十分にあるでしょう。
出典 千葉県 令和7年度自動車税種別割税率及び月割税額早見表 国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート) 千葉市 軽自動車税(種別割)
執筆者 : 浜崎遥翔 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャルフィールド編集部
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