( 305780 )  2025/07/08 06:14:09  
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7年落ちのセレナの車検が「15万円」!「高くない?」と言っても、夫は「ディーラーなら安心だから」と返答。本当にそれが“一番の選択肢”なの? 元ディーラー勤務の筆者が解説 

 

新車でクルマを買った人にやがてやってくるのが、7年目の3回目の車検。今回は、車検の時期が近づいていると相談者が夫に伝えたところ、「いつものディーラーに出しておいたよ」とあっさり返答したとのこと。車検の見積もりは約15万円。思わず「高くない?」と聞くと、ディーラー信者の夫は「安心だから」の一点張りで聞く耳を持たなかったそうです。 

 

ディーラーに勤務していた筆者からすると、確かにディーラー車検には信頼性があります。しかし、本当にそれが一番の選択肢なのか、ということをディーラーから離れた現在、感じています。そこで本記事では、ディーラー車検のメリット・デメリットを見直しつつ、ほかの選択肢や費用を抑えるコツについて紹介します。 

 

一般的にディーラー車検は割高といわれがちであり、実際に世間のイメージ通り高いです。工賃単価と呼ばれる1時間あたりの基本料金が高いため、整備費がほかの整備工場などと比べると高くなります。また、メーカー純正部品を使うため、部品代も高い傾向にあります。 

 

このため、街の整備工場や車検専門チェーンと比べると、車検にかかる費用はディーラーのほうが高くなってしまいます。しかし、「高い=損」とは限りません。ディーラーならではのメリットもあることを知っておくと良いでしょう。 

 

ディーラーで車検を受けるメリットは、以下の点が挙げられます。 

 

■メーカー純正部品の使用 

純正部品は、社外品と呼ばれる汎用(はんよう)品と比べると価格が高めですが、品質と耐久性が保証されています。7年落ちのセレナのような車では、重要な部位の部品交換が発生することもあり、信頼できる部品で整備するのは大きな安心材料でしょう。 

 

■メーカー教育を受けた専任スタッフによる整備 

ディーラーの整備士は、メーカーの車種ごとの構造や弱点を熟知しており、トラブルの早期発見や的確な整備が期待できます。経験値と情報の蓄積という点では、街の整備工場と比較しても強みといえるでしょう。 

 

■整備記録の一元管理と履歴の可視化 

車検や定期点検の履歴が1つのディーラーに集約されているため、整備の重複や見落としを防げます。車の状態を時系列で把握できるため、今後のメンテナンス計画も立てやすくなります。車に詳しくない人の場合、履歴から判断できる場合もありますので、1カ所に整備を集中させることはメリットです。 

 

 

「安心は大事だけど、もっと安くできないの?」という人には、以下のような選択肢があります。 

 

■街の整備工場(認証工場) 

地域密着型の整備工場では、ディーラーよりも工賃が抑えられる傾向があります。また、必要以上の整備や交換を勧められないことが多く、相談しやすい雰囲気も特徴です。 

 

■車検専門店(チェーン系) 

「ホリデー車検」や「車検のコバック」など、車検を短時間で完了させることに特化した店舗もあります。料金は明瞭で、基本コースなら10万円以下で済むケースもあります。 

 

■ユーザー車検(自分で通す) 

整備の知識や経験がある人向けですが、自分で必要な整備だけを済ませ、陸運局に車を持ち込んで車検を受ける方法です。費用は法定費用のみで済み、大幅な節約になります。 

 

実は、ディーラー車検でも工夫すれば費用を抑えることができます。 

 

■不要な整備の見直し 

「取りあえず交換しておきますね」と言われる部品が、本当に今すぐ交換が必要かを確認しましょう。「今回は見送ります」と伝えるのもアリです。 

 

■見積もりの内訳をチェック 

「点検パック」「防さびコーティング」「下回り洗浄」など、車検に際して必須ではないサービスが含まれていることがあります。希望しないものは削除を依頼しましょう。 

 

■他社の見積もりと比較する 

相見積もりを取ることで、価格交渉の材料になります。同じ価格にできないにしても、ディーラーが割引対応してくれる場合もあります。 

 

ディーラー車検が全て割高というわけではありません。信頼性や安心感を重視するなら、ある程度の費用は必要です。しかし、同じ車検でも内容や費用は店舗によって異なるため、「ディーラーだから安心」という理由だけで即決するのはもったいないかもしれません。 

 

大切なのは、車の状態や家計のバランスに合わせて賢く選ぶこと。わが家の愛車も、次回の車検はディーラー以外の選択肢も検討してみようと思います。 

 

執筆者 : 宇野源一 

AFP 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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