( 306105 ) 2025/07/09 07:11:25 0 00 高機能をうたう炊飯器が並ぶ「エディオンなんば本店」の売り場(大阪市中央区で)
高機能の炊飯器が売れ行きを伸ばしている。政府備蓄米の放出で古米が身近になり、「よりおいしく食べたい」というニーズが高まっているとみられる。古いコメでも気にせずに食べられるとして、家庭用の精米機も注目を集めている。(森谷達也、坂下結子)
家電量販店「エディオンなんば本店」(大阪市中央区)の炊飯器売り場には、「備蓄米も手間なく、おいしく」と記したポップが掲げられている。大阪市平野区の会社員男性(24)は「せっかく買うなら、備蓄米もおいしく食べられる高性能な機種がほしい」と話した。
エディオン全体の販売台数は6月以降、前年よりも1割程度増えた。強い火力でふっくら炊き上げる高機能タイプが人気で、5・5合炊きの場合、5万円台からあるが、10万円を超える高額の機種もよく売れているという。
タイガー魔法瓶によると、今年売れた同社製の炊飯器の平均単価は2万5480円で、前年に比べて6%余り(1454円)高い。広報担当者は「価格よりもおいしさ重視という消費者が一定程度いるようだ」と分析する。
政府備蓄米の放出に伴って、収穫から期間が経過したコメはかつてよりも一般的なものになった。こうした古いコメでも、よりおいしく食べられる手段として家庭用精米機が脚光を浴びている。
エディオンでは、4~6月上旬の販売台数が前年同期の2・5倍以上に伸びた。精米することに加え、白米の表面を削る機能を備えた機種が人気だといい、同社の担当者は「酸化した表面を取り除くことで、古い米でもおいしく食べられるようになる」と話した。
店頭でのコメ価格の高騰が長引いたことで、知人からなど独自のルートで玄米を入手する場面も増えているとみられ、精米機は活躍の場を広げている。
アイリスオーヤマは、1月以降の家庭用精米機の売り上げが前年同期の約2倍に達した。コシヒカリなど約40種類の銘柄米に適した精米方法が選べる機種が売れ筋という。
全国各地にコイン精米機を設置している井関農機によると、コイン精米機の利用も増えており、1~3月の利用は前年を1割程度上回った。同社の広報担当者は「農家が集荷業者を通さず、玄米のまま親戚や知人らに直接譲る『縁故米』が増えていることが大きい」と指摘する。
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