( 306408 )  2025/07/10 06:49:28  
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企業が宇宙関連事業を強化する動きが見られ、自動車や銀行など異業種の参入や新興企業の増加が報告されています。

ホンダは国内初の再使用型小型ロケットの実験に成功し、宇宙事業の可能性を示しています。

宇宙産業は急成長が見込まれていますが、米国や中国に遅れを取っており、特に技術の実用化で課題があります。

日本は打ち上げコストを下げる努力をしていますが、事業化のスピードが競争を左右する中、政府は政策強化と市場拡大を目指しています。

日本は人材や技術の確保が急務とされています。

(要約)

( 306410 )  2025/07/10 06:49:28  
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 企業が宇宙関連事業を強化する動きが目立っている。自動車や銀行といった異業種に加え、新興企業の参入も相次ぐ。ただ、宇宙産業は世界で競争が激化し、米国や中国が先行しているのが現状で、官民一体となった育成策が求められる。(浮田梨奈、奈良橋大輔) 

 

ロケットの研究について説明する本田技術研究所の大津社長(東京都港区で)=浮田梨奈撮影 

 

 ホンダは6月、機体を繰り返し使える「再使用型」の小型ロケットの離着陸実験に、国内の民間企業で初めて成功した。自動運転などで培った技術を活用した。 

 

 研究開発を担った子会社・本田技術研究所の大津啓司社長は8日に東京都内で講演し、「宇宙は新たな可能性の場だ」と強調した。 

 

 通信や金融の大手なども宇宙事業を強化し、新興企業の参入も増えている。宇宙振興に取り組む一般社団法人「スペースタイド」の調査では、国内の宇宙関連の新興企業は2025年に109社に上り、3年前から4割近く増加した。 

 

 宇宙は安全保障や通信分野などで利活用が広がり、産業の急成長が見込まれている。世界市場は35年に260兆円を超え、23年比で約3倍に上るとされる。 

 

 技術の実用化では米中両国が先行し、内閣府によると、24年のロケットの打ち上げ数は米国の153回、中国の66回に対し、日本は5回にとどまった。米国では商用利用が多く、実業家イーロン・マスク氏が率いる米スペースXがコストを抑えられる再使用型を活用し、大半を占めた。 

 

 日本勢はコストの高さも課題で、三菱重工業は宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発する新型主力ロケット「H3」で、打ち上げコストを従来の半分の約50億円まで引き下げることを目指す。 

 

 政府は6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で、宇宙政策を強化すると明記。国内市場を30年代前半に、20年の2倍の8兆円に引き上げる目標を掲げる。 

 

 宇宙開発は「早い者勝ち」(経済官庁幹部)の様相で、事業化の速度が勝敗を分ける。スペースタイドの石田真康代表理事は「主要国に限らず、世界中が産業育成に取り組んでいる。日本もより需要を刺激し、人材や技術、投資を獲得することが不可欠だ」と指摘する。 

 

 

 
 

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