( 306835 )  2025/07/12 05:13:54  
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通勤時間帯にJR東京駅前を行き交う人たち(関勝行撮影) 

 

20日投開票の参院選で賃上げが主要な争点の一つとなっている。与野党の公約には、物価高に負けない賃上げを実現しようと意欲的な文言が並んだ。各党は選挙戦を通し、具体的にどのように政策を実現させていくか示す必要がある。 

 

自民党は「2030年度に賃金が約100万円増加することを目指す」と訴え、実質賃金の1%上昇を掲げた。最低賃金については「引き上げを加速化する」方針だ。 

 

これに対し、立憲民主党と公明党、共産党、れいわ新選組、社民党は書きぶりに差はあるものの、最低賃金の時給「1500円」を明記している。 

 

このうち立民は「中小企業支援を前提」とした。さらに共産はその先の目標として「1700円を目指す」と踏み込んでいる。 

 

日本維新の会は「最低賃金を生活水準の実勢に合うように持続的に引き上げ、さらにデジタル技術の活用で企業の生産性向上を進める」としている。国民民主党は「全国どこでも時給1150円以上」の早期実現を目指す。 

 

とはいえ企業の収益見通しは楽観的ではない。空前の人手不足に加え、「トランプ関税」が新たなリスクとなって立ちはだかっているためだ。 

 

日銀が10日に公表した地域経済報告(さくらリポート)では、「各国の通商政策の影響を含め、完成車メーカーの収益の不透明感は高く、現時点では賃上げは未定とせざるを得ない」など、自動車関連企業を中心に切実な声が目立った。 

 

だが、これまでの選挙戦で、賃上げ政策に関する論戦は深まっているとはいえないのが実情だ。 

 

 

 
 

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