( 306950 )  2025/07/12 07:12:30  
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ドジャース佐々木朗希(23歳)。5月中旬にIL(故障者リスト)入りしてから2カ月が経った photograph by JIJI PRESS 

 

5月中旬にIL(故障者リスト)入りしてから2カ月。はっきりとした復帰の見通しが立たないドジャースの佐々木朗希(23歳)。NHK解説者の武田一浩氏(元日本ハム、ダイエー、中日、巨人)はどう見ているのか? 【全2回の佐々木編/藤浪晋太郎編も公開中】 

 

◆◆◆ 

 

 今年からメジャーリーグに挑戦し、5月に右肩の「インピンジメント症候群」と診断され、長期離脱している佐々木朗希についてはどうか。 

 

「……うん、『メンタルの問題』じゃないかな。今年は投げないかもしれない。ロバーツ監督は『8月には』って言っていたけど、本人が投げられる気持ちにならないとね。『メジャーの環境に適応できていない』、とメンタルのコーチが言っていたけど、それは確かにそう思う。みんな最初は戸惑いがありつつも乗り越えていくけど、彼の場合はなかなか対応できていないんでしょう。そんなに慌てて投げさせて、また故障してダメになったら困るから、ゆっくりすればいいんじゃないかな」 

 

 佐々木はロッテ時代の2024年6月にも、「右上肢のコンディション不良」で戦列を離れている。だが当時は8月から復帰してローテーションを守り、キャリアハイとなる10勝を挙げている。 

 

 佐々木はプロ入り以来、つねにコンディションの不安と戦ってきた。さらに加えてメジャー移籍に至るまでの経緯や、周囲の期待が、佐々木投手に大きなプレッシャーを与えているのは、確かに想像に難くないだろう。 

 

「メジャーへの移籍の仕方もいろいろあったしね。かわいそうだけど、もっと歓迎されて送り出された方が良かったのかもしれない。そこは本人しか分からないんだけど。ああいう経緯でアメリカに渡った立場としては、やっぱりメジャーでめちゃくちゃ活躍しないと立つ瀬がない、という気持ちは当然あるでしょう。いま23歳でしょ? 大学を出て1、2年の年齢。まだ若いし、辛いと思う」 

 

 もし佐々木投手にアドバイスを送るとしたら、と問われた武田はこう答えた。 

 

「やっぱり気持ちが治らないとダメだと思う。自分が『やろう』という気持ちにならないとダメなんじゃないかな。佐々木について、何がダメっていうところはないんだよね。強いて言うなら、心と体のバランスがまだ取れていない感じがある。自分が投げたいと思うまでは、投げない方がいいんじゃないか。彼のことは、本当に長い目で見た方がいいよ。みんなそんなにいじめたり、過度に期待しないでおいてあげてください。そっとしておくと良くなるかもしれない」 

 

 佐々木朗希は環境に慣れることが復活への最良の薬なのかもしれない。 

 

<藤浪晋太郎編から続く> 

 

(「メジャーリーグPRESS」遠藤修哉 = 文) 

 

 

 
 

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