( 308909 )  2025/07/20 03:11:31  
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寺内はっぴぃ氏(27)は、キラキラネームとして注目され、特に小学校から中学校にかけて名前に関するいじめを受けながらも、名前の由来や家族について話しました。

「はっぴぃ」という名前は、彼の両親が彼の誕生を喜ぶ気持ちを表したものであり、本人は名前について深刻に悩むことはなく、一定の楽しい側面もあると感じています。

面接の際には本名を疑われた経験もあるものの、日常生活では多くの人から好意的に受け入れられています。

名前がもたらす苦悩や楽しい瞬間を交えつつ、彼は自分の名前を大切に思っていることが伝わります。

(要約)

( 308911 )  2025/07/20 03:11:31  
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 2025年3月、キラキラネームを取り上げた報道番組に出演して注目を集めた、寺内はっぴぃ氏(27)。 

 

 ホテルマンとして働く彼に、「はっぴぃ」の由来、名前をイジられていた小学校時代、面接での苦労などについて、話を聞いた。(全2回の1回目/ 続きを読む ) 

 

◆◆◆ 

 

寺内はっぴぃ氏  

 

――寺内さんは、まわりからなんと呼ばれていましたか。 

 

寺内 そのままの「はっぴぃ」ですね。 

 

――ご両親からも「はっぴぃ、もう宿題やったの?」とか。 

 

寺内 そうですね。友達やいまの上司からもそんな感じです。あだ名を付ける必要ないよねって。おばあちゃんは「はっぴぃちゃん」って呼んでますね。 

 

――ちなみに、ご兄弟って。 

 

寺内 4人兄妹です。上から僕、長女、次女、次男。 

 

 兄弟みんな個性的な名前で。生まれてきた時の見た目や思いをそのまま名前にしています。 

 

――それぞれ、名前にちゃんと意味が。 

 

寺内 僕のときは初めての子だったので、「無事に生まれてくれてハッピー」とそのままの気持ちを名前にしたみたいです。 

 

――自分の名前が一般的ではないと意識したのは、いつごろですか。 

 

寺内 小学校高学年から中学校に上がるくらいだったと思います。明確にいうと、いじめみたいなものがあって、原因はなんだろうって考えたら「あ、名前か」って。 

 

――それまでは、名前についてなにか言われることはなかった。 

 

寺内 それこそ入学式とかで名前を呼ばれてザワつく、とかはずっとありました。在校生も新入生も親御さんも、一気に僕のほうを見るみたいな。「こんなに注目を浴びるものなの?」と思っていましたけど、そこまで意識することはなかったですね。 

 

――具体的にどんないじめがあったんですか。 

 

寺内 「おまえ、はっぴぃっていう名前なのに、全然ハッピーそうに見えねえな」みたいな感じのイジりです。あと、「ハッピーバースデー」とか、「ハッピーバレンタイン」みたいな「ハッピー」が付くようなイベントすべてで、いちいちイジられてました。 

 

 

――英語の授業で「Happy」と出てくると、みんなが指を指してきたりとか。 

 

寺内 海外からやってきた先生から「Oh, Happy?」って驚かれることもありましたね。 

 

 でも、それで嫌な気持ちになるとかはなくて、友達同士のじゃれ合いの範疇といえば範疇なのかなと。別に実害もなかったですし。ケガをさせられたとか、メンタルを病んだとかいうことも特になかったので。 

 

――「おまえ、全然ハッピーそうに見えねえな」など言われると、それがある種の刷り込みのようになったりは。 

 

寺内 「もうすこしテンション上げて生きていったほうがいいんだろうか」という強迫観念みたいなものが、ちょろっと生まれたりしたことはありました。 

 

――「名は体を表す」みたいに、はたから見てもハッピーな状態でいようみたいな。 

 

寺内 そんな感じですね。それこそ小学校、中学校と、教室のすみっこで本を読んで静かにしているようなタイプの人間だったので。 

 

――先生に相談することもなかったですか。 

 

寺内 特に言ってはないですね。全然放っておいても大丈夫だったので。それに「同級生におもろい名前のやつがおる」って近づいてくる子も多かったので。 

 

 まあ、いま考えたら「イジりもいじめなんじゃねえか」と思うことはあるんですけど。 

 

――親に「こんな名前を付けやがって」と暴言を吐いたことは。 

 

寺内 まったくないです。別にカッコつけるわけじゃないんですけど、名前って命の次に親からもらう大切なものだと思っているので、特に恨んだことはないですね。「悪魔」とか付けられていたら別かもしれないんですけれど。 

 

 それこそ最近はテレビとかに出るようになって、親から「実は裏で苦労してたの?」って聞かれたことはありましたけど、「全然苦労してないよ」みたいな。 

 

――ご兄妹みなさんも名前は気にしていないですか。 

 

寺内 まったくないですね。地元が狭いので、「君ははっぴぃの弟やろ」と言われるみたいですが。 

 

 

――いじめられたこと以外に、学生時代に名前で大変な思いをしたことは。 

 

寺内 学生時代はほとんどないんですよ。あ、細かいことで言えば、図工の授業で「篆刻(てんこく)」って石を削って作るハンコ作りが、まあまあきつかったとか。ひらがなは丸いので、削るのがめんどくさいんですよ。漢字は角ばっているから簡単なんですけど、ひらがなは本当に大変です。 

 

 大人になってからのほうがいろいろありました。本名かどうか疑われるとか。二度手間なんですよ。それこそ書類に名前を書いて「え、本名ですか?」って聞かれて、「これ、免許証です」って見せる。これが手間なんですよ。 

 

――「この名前、ふざけてるのか」と言われたりは。 

 

寺内 面接で1件だけありました。応募自体がいたずらだと思われて、いざ面接の場所に行ったら面接担当者がいなくて。「本当に来るんかい。こんな人」って感じで裏でザワついて。「ちょっと担当者がいないので、20分ぐらい待っていただいていいですか」と言われて、20分後に面接するみたいな。 

 

――かなり失礼な態度ですね。 

 

寺内 ちゃんと免許証を見せて、「本名です」と言いました。そしたら向こうは「へぇ〜本当にいたんだ」みたいな。さすがに、その会社は蹴りましたね。 

 

――そこ以外で、なにか言われることはなかったですか。 

 

寺内 短大に通っていたときにアルバイトをやっていたんですけど、そこは皆さんいい人ばかりでした。「はっぴぃちゃん、はっぴぃちゃん」って。 

 

――そういう人のほうが多い気がします。 

 

寺内 反応は半々ですよ。キラキラネームという言葉が出はじめたのがちょうど30年くらい前らしいんですけど、60代以上の方からは、「なんだこいつ」みたいな目で見られることはまだあります。40代から50代の方は、もう慣れてらっしゃるんですけれど。 

 

――面接や書類提出以外で苦労したことは。 

 

寺内 最近気づいたことなんですけど、香典袋とかお見舞い袋を渡すときに意外としんどいなと思いました。「寺内はっぴぃ」って、ちょっと抵抗がありますよね。お葬式で出すお花、供花に「寺内はっぴぃ」って書いてあったら、ふざけてると思われるんじゃないかと思って。 

 

 場合によっては、冗談じゃ済まないですよ。本名なので送ることは送るんですけれど、ヘンなとらえ方をされかねない不安はありますね。 

 

――ひらがなだと誰でも読めてしまいますからね。 

 

寺内 漢字の当て字とかだったらまだ良いと思うんですけど。 

 

 逆にお年玉とか結婚式は最高ですよね。めでたい感がめっちゃ出るので、この名前でよかったなって。 

 

写真=三宅史郎/文藝春秋 

 

警察から「免許証は?」「え、本名ですか?」と…キラキラネーム・寺内はっぴぃ(27)が語る、日常生活で名前がもたらすメリット へ続く 

 

平田 裕介 

 

 

 
 

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