( 309436 )  2025/07/21 06:55:25  
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実家暮らし30歳「貯金1000万円」の独身男性に、親が苦言…「人生、使わないと意味ないよ」貯金は“最低限”でも問題ない? 30代貯蓄額「平均・中央値」もあわせて解説 

 

「貯金1000万円もあるの? でも、人生お金を使わないと意味ないよ」実家暮らしの独身男性に、ある日親から投げかけられた言葉。節約を徹底し、遊びや趣味を我慢してまで貯めたお金に対し、まさかの苦言です。本人としては「将来の不安に備えて当然」と考えていたのに、親の反応に戸惑ってしまうのではないでしょうか。 

 

確かに、実家暮らしは1人暮らしよりも生活コストが抑えられ、お金が貯まりやすい環境です。そのため、30歳という若さで貯金1000万円という金額に到達する人もいるでしょう。ただ、「そんなに貯めてどうするの?」「今を楽しんでこそ人生では?」という親世代からの声も、理解できる部分があります。 

 

今回は、「30歳前後の平均貯金額と比べて1000万円は多いのか?」「貯金ばかりでお金を使わないのは、もったいないことなのか?」「そもそも貯金はいくらあれば安心なのか?」といった視点から、使う・貯めるのバランスについて解説します。 

 

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2023年の30代単身世帯の金融資産保有額の平均値はおよそ594万円で、中央値は約100万円です。 

 

つまり、1000万円という数字は平均の2倍近くにあたり、かなり上位に位置する水準です。生活費が抑えられる実家暮らしの恩恵を受けたとしても、節約や倹約に強いこだわりがなければ到達しにくい金額といえるでしょう。 

 

「老後2000万円問題」などが取り上げられる中、将来への不安から頑張って貯蓄する人が増えています。 

 

しかし、ある程度の備えがあっても、過度にお金を使うことをためらい続けると、「今この瞬間」を楽しめなくなるという、体験の損失リスクが生まれます。 親の立場から見ると、「若いうちの体験こそ、将来の財産になる」と考えるケースも多く、旅行や趣味、人とのつながりにお金を使わない子どもを見て心配してしまうのでしょう。 

 

実際、使うお金は「無駄遣い」ではなく、「自己投資」や「経験価値」として、長期的に人生を豊かにする可能性があります。 

 

 

理想的な貯金額に明確な正解があるわけではありませんが、「生活費の6ヶ月~1年分」を目安にする考え方を推奨します。 

 

例えば、月の支出が15万円なら、100万円~180万円程度あれば、急な病気などの不測の事態にも備えやすくなります。 

 

また、独身であっても「結婚資金」「住宅の頭金」「転職や起業の資金」など、今後のライフイベントに備えて300万円~500万円ほどの余裕があれば、より安心です。1000万円の貯金があるなら、そのうち数百万円は未来の自分のために使うことを検討してもよいのではないでしょうか。 

 

お金の不安を減らすには、「貯める力」だけでなく「使う力」も大切です。実家暮らしで貯金1000万円を達成したのはすばらしいことですが、それをゴールではなくスタートと考えると、より前向きな人生設計が描けるのではないでしょうか。 

 

「貯めるのが得意」な人ほど、「使うことへの心理的ハードル」が高くなりがちです。だからこそ、「意味ある使い方」や「未来につながる支出」を意識することで、お金以上の価値が返ってくるかもしれません。親の言葉の裏側には、「数字では測れない豊かさも大事にしてほしい」という願いがあるのかもしれません。 

 

出典 

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年) 

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 

ファイナンシャルプランナー 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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