( 309701 ) 2025/07/22 06:08:59 0 00 LT3.0プラスはユーザーから支持を得ることができるか(イメージ)
現行のパチンコ遊技機に新たなゲーム性や高い出玉性能を実現する新機能「ラッキートリガー3.0プラス」(以下、LT3.0プラス)を搭載した新機種が、7月7日に全国のパチンコホールに導入された。従来機よりも射幸性が高くなっているLT3.0プラス搭載機に対する、ユーザーの反応はどうだったか──。
2024年3月に導入された機種から搭載できるようになった「ラッキートリガー」(LT)は、言わば“一時的に出玉性能が高まる機能”だ。LTを搭載にするには、いくつかの条件があったが、2024年7月には「LT2.0」として一部の条件が緩和、そして今回「LT3.0プラス」としてさらに緩和され、より高い射幸性を持つ機種が登場することとなった。
7月7日にホール導入となったのは、『e東京リベンジャーズ』(サミー)、『eフィーバー炎炎ノ消防隊2 紅丸ver.』『eフィーバー炎炎ノ消防隊2 シンラver.』(SANKYO)、『e一方通行 とある魔術の禁書目録』(藤商事)、『e 犬夜叉3.0』(D-light)、『e冒険島』(SANYO)の5タイトル6機種。パチンコ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「導入初日の令和7年7月7日は“7が3つ並んだ日”ということもあり、日本全国の多くのホールでイベントが開催され、LT3.0プラス搭載機のデビューを盛り上げていました。私も初日に都内のホールをいくつか視察しましたが、LT3.0プラス搭載機の稼働は良好でした。
しかし、2日目以降はそこまで盛り上がっている雰囲気でもなく、通常の新台導入直後と同じような感じでした。射幸性が高いということで、様子を見に回っただけというユーザーも少なくなかったのかもしれません」
では、実際のLT3.0プラス搭載機を打ったユーザーたちは、具体的にどのように感じたのだろうか。導入初日に都内のホールで『e東京リベンジャーズ』を打ったというAさん(30代男性)はこう話す。
「『東リベ』はLT3.0プラス機の中でも、そこまで射幸性が高いというわけではないからか、これまでのLT機とあまり変わりなく楽しめました。ただ初当たりが300個しかもらえないので、LTが続かないと厳しい印象です。隣りで打っていた人が、一撃で2万個くらい出していたので、それなりに爆発力はありそうでしたが、反対側の隣りの人は2連続で1000回転以上ハマっていて、LT3.0プラスの出玉の波の荒さを感じました。
個人的にはもうちょっとマイルドなほうが好きかもしれない。今後は、もうちょっと打ちやすいスペックの機種が出たなら、LT3.0プラス搭載機を打とうと思います」
『eフィーバー炎炎ノ消防隊2 紅丸ver.』を打ったBさん(40代男性)も、大ハマリを食らったという。
「初打ちでいきなり1500回転もハマって、しかも単発で終わるという、LT3.0プラスの恐ろしさを体験しました。あと、結構ハマったところで、チャージ(獲得出玉が少ない、図柄が揃わない大当たり)を引くと本当にショックが大きいです。ただただ現金を投入し続けているだけのような感覚で、不安になりました。
良かった点は、『超炎上BURST』(3000個の出玉が50%で上乗せループする機能)に入ったときの爽快感です。一気に出玉が増えていくので、ヤミツキになってしまう。あれを1回体験するともう1回味わいたくなってまた打ってしまう……というやつです。LT3.0プラスの底力という感じですが、通常時は全然当たる気がしないのがキツイ。お金に余裕があれば打ちたいけど、そう簡単に手を出せるタイプではないと思いました」
LT3.0プラスの出玉の波の荒さ、つまり射幸性の高さを実感しているユーザーが多いのは、間違いなさそうだ。藤井氏が解説する。
「LTの性能が高い機種では、総じて初当たり確率が重めになっており、そのため大きくハマりやすく、使うお金も増える傾向にあります。たとえば、パチンコに行く際、これまでなら『財布になかに5万円入れていればどうにかなる』という感覚だった人は、LT3.0プラス機を打つなら、手持ちで8万円ぐらいないと不安という感じになっていきそう。大きく勝てる可能性以上に大負けのリスクが高まっている点は、ユーザーに対してネガティブな印象を与えかねないと思います」
今後ホールデビューする予定のLT3.0プラス搭載機の中には、今回デビューした機種以上に射幸性が高い機種も含まれている。
「たとえば、8月導入予定の『e牙狼12 黄金騎士極限』(サンセイR&D)は出玉1500個の図柄揃い時の約50%でLT突入チャレンジに発展し、さらにその50%で突破すると“出玉7500個+LT突入”という仕様です。通常時から考えたLT突入率はおよそ1/1700というかなり低い確率ですが、9000個の出玉を持っている状態でLTに突入することを考えれば、恩恵はかなり大きい。その射幸性の高さは、過去最高レベルと言っても過言ではないと思います。
こういった機種がホールで存在感を増していけば、ホールの売上には貢献できるでしょうが、ユーザーに対する負担は大きくなりかねない。依存症対策の問題も含めて、射倖性が増すLT3.0プラスがどのように評価されていくのか、注視しなければならないでしょう」(藤井氏)
導入されて間もないため、LT3.0プラスがユーザーから支持を得るかどうかはまだ不透明だが、少なくとも注目度が高いのは事実。人気が低迷するパチンコ業界にとっての起爆剤としての期待も大きいが、射幸性の高さゆえに、今いるパチンコユーザーたちに過度な負担を強いてしまう可能性も否めない。言うなれば“諸刃の剣”となっているLT3.0プラスは、パチンコ業界をどう変えていくのか、今後に注目したい。
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