( 309766 )  2025/07/22 07:14:38  
00

じわじわ会社を壊す。本当に怖いのは「無能な社員」より「有能そうな厄介者」…彼らが放つ8つのサイン 

 

誰の目にも明らかな「ダメな社員」はすぐに見分けがつきます。仕事の成果が出ない、チームワークを乱す、期待に応えられない……。しかし、本当に厄介な問題を引き起こすのは、そうした分かりやすい社員ではないのです。 

 

能力不足や信じられないほどの怠け者といった社員は、特定するのが簡単です。解雇するのは決して楽しいことではありませんが、少なくとも問題がどこにあるかは明白で、迅速に対応し、次に進むことができます。 

 

本当の問題を引き起こすのは、一見するとソツなく仕事をしているように見える社員たち。彼らは、友人がかつて「たちの悪いウイルス」と呼んだような存在です。他の社員のパフォーマンスや態度、そして士気をじわじわと蝕み、ついには会社全体を破壊してしまうのです。 

 

ここでは、あなたの会社を静かに蝕む社員が発する、見過ごされがちな8つのサインをご紹介します。 

 

1. ゴシップが何よりの好物 

ある会議の前、私たちは別の部署の上司について噂話をしていました。すると、新しく来た私の上司が顔を上げ、こう言ったのです。 

 

「やめなさい。これからは、本人がいない場所でその人の悪口を言うのは一切禁止だ。以上」 

 

その瞬間まで、私はゴシップが企業文化の一部だなんて考えたこともありませんでした。ゴシップはただそこにあるもの。誰もがやることでした。そして、それは最悪の行為でした。 

 

特に自分がゴシップの的になるのは、本当に気分が悪いものです。(そして時が経つにつれ、ゴシップを広める人間そのものが、いかに厄介な存在であるかを悟りました。) 

 

もしある社員が、ジョンさんの行動について複数の人に話しているとしたら、本人が直接ジョンさんに話をしに行く方が、全員にとって良いことではないでしょうか?もしそれが「自分の立場ではない」と言うのであれば、なおさら陰でジョンさんのことを話す資格などないはずです。 

 

「彼が何したか聞いた?」と言うのは、「私には他人について話すより価値のある仕事がありません」と公言しているようなものです。 

 

ゴシップ文化を生み出す社員は、生産的な会話に使えるはずの時間を無駄にするだけでなく、同僚への敬意を少しずつ削いでいきます。社員の尊厳や敬意を損なう行為は、決して許されるべきではありません。 

 

2. 会議の「後」に本領を発揮する 

あなたは会議を開きます。課題が提起され、懸念が共有され、そして意思決定がなされる。出席者全員がその決定を全面的に支持し、物事が動き出すはずでした。 

 

ところが、その直後に「会議の後の会議」を開く人物がいます。その場になって初めて、彼女は会議で言わなかった問題点を口にし、今さら決定に異議を唱え始めるのです。 

 

時にはチームに向かってこう言うことさえあります。「いいかい、これは最悪のアイデアだと思う。でも、やれって言われたから、一応やってみるしかないだろうね」 

 

こうなると、決まったはずのことは決して実現しません。会議が終わるまで「私はその決定を支持しません」と言わずに待っているのは、「口先では何にでも同意しますが、実行するとは限りません。むしろ、裏で妨害することさえありますよ」と宣言しているのと同じです。 

 

こうした人々は、別の場所で働くべきでしょう。 

 

3. 決め台詞は「それは私の仕事じゃありません」 

会社が小さければ小さいほど、社員一人ひとりが臨機応変に考え、目まぐるしく変わる優先順位に素早く適応し、役職や立場に関係なく、やるべきことをやり遂げる姿勢が重要になります。 

 

たとえそれが、マネージャーがトラックへの荷積みを手伝うことであっても、機械工がこぼれた溶剤を掃除することであっても、経理担当が工場で急ぎの注文を手伝うことであっても、あるいはCEOが製品トラブルの際に顧客対応の電話に出ることであっても、です。 

 

社員に依頼された仕事は、それが非倫理的、不道徳、または違法でない限り、たとえ自分の現在の役職より「下」の仕事に見えても、進んで引き受けるべきです。本当に優れた社員は、問題に気づけば言われる前に自ら行動します。 

 

「それは私の仕事ではありません」という言葉は、「私は自分のことしか考えていません」という意味。その態度は、まとまりのあるチームを、機能不全の個人集団へとあっという間に変えてしまい、全体のパフォーマンスを破壊するのです。 

 

4. 「昔の栄光」にいつまでもしがみつく 

ある社員が去年、先月、あるいは昨日、素晴らしい功績をあげたとします。あなたは感謝し、その貢献を認めます。 

 

しかし、今日は新しい一日です。「貢献した」という事実は過去のもの。貢献とは「し続ける」ものです。社員の価値を測る唯一の本当の尺度は、日々、目に見える形でどれだけ貢献しているか、なのです。 

 

「私はもう十分に貢献してきた(duesを払ってきた)」と言うのは、「もう昔ほど必死に働く必要はない」と言っているのと同じ。そして、その態度はあっという間に伝染し、他の社員たちも「自分たちもこれくらいでいいか」と感じ始めてしまいます。 

 

5. 「経験」を振りかざし、成長を止める 

経験が重要であることは間違いありません。しかし、その経験がより良いスキル、優れたパフォーマンス、そして大きな成果に結びつかないのであれば、それは無価値です。ただ「ある」だけの経験は、無駄でしかありません。 

 

例えば、かつてある同僚が、年下の管理職たちに「私の役割は、君たちの相談役(リソース)になることだ」と言っていました。聞こえは良いですが、彼は一日中オフィスに座って、私たちが彼の知恵を拝借しに来るのを待っているだけ。もちろん、誰も彼の元を訪れませんでした。私たちは皆、「あなたの経験は尊敬しますが、あなたの役割は、まずご自身の仕事をすることでは?」と心の中で思っていたからです。 

 

何年働いたかという勤続年数よりも、どれだけ多くのことを成し遂げてきたかの方が、はるかに重要です。 

 

「私の方が経験豊富だ」と言うのは、「私の決定や行動に、いちいち理由を説明する必要はない」と言っているに等しいのです。議論において勝つべきは、経験や役職ではありません。最終的に勝つべきは、知恵、論理、そして判断力であり、それらが誰の中に宿っているかは関係ないのです。 

 

6. 出る杭を打って、チームの足を引っ張る 

新入社員が一生懸命働いています。長時間働き、目標を達成し、期待を上回る成果を出している。まさにエース級の活躍です。すると、やがて彼女は、より「経験豊富な」同僚からこう囁かれます。「君は働きすぎだよ。僕たちがサボっているように見えるじゃないか」 

 

素晴らしい社員は、他人と自分を比較しません。彼らが比較するのは「昨日の自分」です。昨日より成長し、より良い結果を出すことで、その比較に「勝ちたい」と思っています。 

 

一方、ダメな社員は、自分がもっと頑張ろうとは思いません。彼らが望むのは、他人に頑張るのをやめさせること。彼らは勝ちたいのではなく、ただ自分が「負けない」ようにしたいだけなのです。 

 

「働きすぎだよ」と言うのは、「誰も一生懸命働くべきではない。なぜなら『私』が働きたくないからだ」と宣言しているようなもの。 

 

そして、あっという間に誰も一生懸命働かなくなり、頑張り続けようとする少数の人々は、会社にとって最も必要な資質を持っているにもかかわらず、チームから孤立させられてしまうのです。 

 

7. 手柄は誰よりも早く独り占め 

確かに、彼が仕事のほとんどをやり遂げたのかもしれません。ほとんどすべての障害を乗り越えたのかもしれません。彼がいなければ、あのハイパフォーマンスチームは成果を出せなかったのかもしれません。 

 

しかし、おそらく、そうではないでしょう。重要なことは、決して一人では成し遂げられないのです。たとえ一部の人々が、あたかも自分一人の力でやったかのように振る舞うのが好きだとしても。 

 

優れた社員であり、優れたチームプレイヤーは、栄光を分かち合います。彼らは他のメンバーの手柄を認め、称賛し、感謝の意を示します。そして、他のメンバーにスポットライトが当たるように計らうのです。これは特にリーダーの立場にある社員にとって重要です。部下の成功を祝うことは、その成功が自分自身の評価にも繋がるという自信の表れでもあるのです。 

 

「これは全部私がやった仕事だ」とか「全部私のアイデアだ」と公言するのは、「世界は私を中心に回っている。そして、皆にそれを知ってもらう必要がある」と言っているのと同じ。たとえ他の人々が同じ考え方をしなくても、正当に評価されるべき自分たちの手柄のために戦わなければならない状況に、憤りを感じるようになります。 

 

8. 責任は誰よりも早く押し付ける 

取引先からクレームが入った。顧客が不満を感じている。同僚が腹を立てている。何が起ころうと、それは常に誰か他の人のせいです。 

 

時として、問題が何であれ、そして実際に誰に非があるかに関わらず、自ら進んで非難の矢面に立つ人々がいます。彼らは、自分がその批判や罵倒に耐えられること(そして、本当に責任がある当事者は耐えられないかもしれないこと)を知っているため、進んでその役を引き受けます。 

 

不当な非難を自ら引き受けることほど、無私無欲な行為はほとんどありません。そして、これほど人間関係を強固にする行為も稀です。逆に、「私じゃありません」と言うことほど自己中心的な行為もありません。特に、少なくとも部分的には自分にも非がある場合には。 

 

「それはジョンさんに聞いてください」と言うのは、「私たちは一枚岩のチームではありません」と言っているのと同じです。最高の会社では、誰もが「一枚岩」です。 

 

そうでない人は、去るべきなのです。 

 

これら8つのサインは、一つひとつは些細なことだ、と見過ごされてしまうかもしれません。 

 

しかし、こうした「静かに蔓延するウイルス」が放置されることで、本当に価値のある優秀な社員の意欲は削がれ、組織全体の文化が少しずつ、しかし確実に蝕まれていきます。 

 

リーダーであるあなたの最も重要な役割の一つは、この状況をいち早く見抜き、断固として対処することです。それこそが、健全で生産性の高いチームを守り、会社を確かな成長へと導くための、不可欠な一歩となるのです。 

 

Originally published by Inc. [原文]Copyright © 2025 Mansueto Ventures LLC. 

 

──2016.09.06公開記事を再編集して再掲しています。 

 

ライフハッカー・ジャパン編集部 

 

 

 
 

IMAGE