( 310491 )  2025/07/25 05:00:26  
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参政党・神谷代表 

 

 日本人ファーストを掲げ、参議院選挙の台風の目となった参政党。なぜここまで票を伸ばしたのだろうか。注目したのは女性からの支持である。 

 

 参政党に投票した人の男女比は、男性61%、女性39%。ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターでノンフィクションライターの石戸諭氏はこの結果を受け、以下のように述べる。 

 

「他の党と比較すると参政党の集会は子連れが明らかに多いというのが1つ特徴だと思う。3年ぐらい前まで参政党の支持者は社会の中でも変わった人たちという感じだったが、今回新しく取り込んで、決定的に変わってきた。立憲民主党を上回り比例で700万票以上集めたのだから、彼らのメッセージが普通に暮らしている人、普通の人たちの一定数に届いたと解釈したほうがいい。その中には女性が含まれるのは当たり前のこと」 

 

 比例区の政党支持の男女比をみると、自由民主党は男性54%、女性46%、立憲民主党は男性57%、女性43%などという結果に。石戸氏はこの結果についてこう話す。 

 

「日本保守党も女性の割合は多い。これも当たり前の話だが、女性だから自動的にリベラルな考え方になるということは決してない。データを見ると日本の政党は大枠でみると5対5の範疇に収まっている。たとえば女性だけ支持層の7割とか極端に高くなっている政党があるのかというとない」 

 

 神谷氏はいわゆるマッチョな発言を繰り返す一方、実際に出馬をしているのは女性が多かった。こういった“見え方”も票の獲得に影響したのだろうか。成蹊大学の伊藤昌亮教授はこのように分析する。 

 

「参政党の場合、批判している人たちが見る部分と、支持している人たちが見る部分が違う。批判している人たちは、新憲法構想案やウルトラ保守的なところを見ていて、非常にバックラッシュ的な危険性を見ている。ただ、支持している人は、子ども1人10万円くれるんだなどの入り口の政策を見ている。そこはソフトにソフトにやっている。女性を多く出していることもソフトな入口戦略の1つだと思う。そういう意味で批判層と支持層が見ているところが違うという所が大きい」 

 

 

外国人問題 なぜ過熱? 

 

 参政党は日本人ファーストをスローガンに掲げていて、外国人問題は終盤に各政党が取り上げるようになった。SNSの投稿でも賛成、反対が入り乱れて、投稿数もかなり増えたが、伊藤氏はこのように述べる。 

 

「そもそも外国人問題という言い方は雑すぎる。外国人投資家問題と外国人労働者問題だと思う。参政党の支持層は外国人投資家問題を見ていて、強い外国人問題に対する反発が多い。でも、批判層は弱い外国人問題を見ているので、外国人との連帯、共生、人権を問題にする。2つとも重要。問題はこれがゴチャゴチャになっているところ。参政党支持者の間でも、中国人が土地を買っているとか、日本の水源が買われているとか、日本が買い叩かれちゃうぞという危機感があるので反発するが、そういう気持ちを今度は弱い外国人に向けてしまうところがある。一方、批判層も外国人の労働者問題ばかりを問題にするが、本来、外国人だろうと日本人だろうと、過剰な投資的、投機的な行動を規制することはやらなくてはいけない。今、全般的に共生か規制かという話になっているが、整理していく必要がある」 

 

 今回、新しく参政党を支持する人が増えて、この先の政策や戦略は変わるのか。 

 

「積極財政を明確に打ち出していたのは今回、参政党と国民とれいわだったが、積極財政のあり方が少し違う。国民民主党は、経済に参加している人たちがプラスになるような財政政策をやっていて、参政党やれいわは、なかなかそこに参加しにくいような人たちを助けていくぞというメッセージを出していた。ただ、れいわはかなり左派的な枠組みなので、貧困層を中心としている。ロワーミドルのところは国民と参政が多く、そこに対する積極財政というメッセージが、『あなたたちに寄り添うよ』ということで効いてきたと思う。そこをこれからもっと注力していくのだろうが、参政党の場合は財源論がめちゃくちゃ。そこをどう整合させていくのかは、間違いなく問われていく」 

 

(『ABEMAヒルズ』より) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

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