( 311006 ) 2025/07/27 04:47:25 0 00 党内からも退陣論が出る石破茂首相(左)と“ポスト石破”に急浮上してきた林芳正官房長官
日米関税交渉が電撃決着し、永田町では“ポスト石破”の話題一色となっている。
7月20日投開票の参院選で自民党は改選52議席から大幅に減らし、39議席と大惨敗。連立を組む公明党も8議席(改選14議席)となり、自公で過半数割れとなった。
石破茂首相(68)となってから、’24年10月の衆院選、’25年6月の都議選に続く三連敗。石破首相は7月21日の会見で
「比較第一党となる議席を頂戴した。最も大切なことは国政に停滞を招かないことで、国家・国民に対する責任を果たしていかねばならない」
と“続投”を強調したが、党内でそれを支持するのはごくわずか。日米関税交渉の決着を花道に、辞任を求める動きが活発化している。
石破首相は7月23日、麻生太郎最高顧問(84)、菅義偉副総裁(76)、岸田文雄前首相(67)の“歴代首相3人”と面会。記者団には面会内容について
「3人の元総裁と強い危機感を共有したほか、党の分裂は決してあってはならないなど、いろいろな話があった」
と話す一方で、
「会談で私の出処進退については、一切、話は出ていない。そのような発言をしたことは一度もない。報道されているような事実はまったくない」
と“退陣論”をけん制した。
しかし、自民党関係者によると
「進退の話が出ていないワケがない。石破首相も日米関税交渉がまとまり、総理のイスにしがみついているわけではない。あとはタイミングの問題だ。首相退陣論は読売と毎日が先んじて報じた。読売に至っては号外まで配った。石破首相は報道先行の退陣論が気に食わない部分もある」
という。
ムキになる石破氏ではあるが、それには理由があるようだ。首相に近い永田町関係者によれば、
「8月15日の終戦記念日には、何としても現役総理として式典などに臨みたいという思いがある。今年は1945年の太平洋戦争終戦から80年の節目。もともと“防衛オタク”でもある石破首相にとっては特別な日だ。首相は自分の名前で戦後80年のメッセージを出したいんだろう」
と明かす。
そんな石破首相の思いをよそに、永田町では“ポスト石破”レースがスタートしている。
早々に有力候補として名前が挙がるのは、昨年9月の総裁選に立候補した小泉進次郎農相(44)、高市早苗氏(64)、小林鷹之氏(50)だ。進次郎氏は先の総裁選で先行リードしながら、決選投票に残れなかった。
「今回はいわゆる“コメ問題”を巡る立ち回りで存在感を示した。進次郎氏に近い議員によると『(総裁選に向け)ギアが入っている』という」(全国紙政治担当記者)
◆野党に“協力してもらえる”総理
高市氏と“コバホーク”についてはどうか。
「参院選で“高市応援団”の杉田水脈氏が落選。西田昌司議員も薄氷の勝利だった。前回総裁選ほどのインパクトは期待できないのではないか。コバホークは有望なのはたしかだが、『まだ早い』という意見のほうが多い」(同・全国紙記者)
三者以外では、一部で岸田前首相の再登板情報も流れている。本人は参院選後の政局をにらみ、これまで距離のあった重鎮議員と水面下で接触を図っていたという。前出の自民党関係者いわく
「本人のウォーミングアップは終わっている」
とのこと。しかし、本人のやる気とは裏腹に国民人気は低く、次期衆院選で「顔」を張るには正直心もとない。
そんななか、ダークホース的に急浮上しているのが林芳正官房長官(64)なのだという。
東大法学部から三井物産に入社し、その後、米ハーバード大ケネディ・スクールを修了したエリート。岸田首相時代に外務大臣を務め、石破政権でも官房長官の要職に就いている。
進次郎氏や高市氏に比べで地味なのは否めないが、“まとまりやすさ”という点で有利に働く可能性がある。
政治評論家の有馬晴海氏は林氏について、
「衆参ともに自公が過半数を割った今、政策ごとに野党と組まないと法案が通らない。そうなると、野党に“協力してもらえる人”と考えると、林さんの名前が浮上してきているということでしょう。派手さはないが堅実ですし、何より政策通。有能なので若い頃から政策の土台作りなど、目立たないところでしっかり仕事をしてきた。温厚な性格で敵は少ないですし、安定感は抜群でしょう」
と評価する。
一寸先は闇の永田町。各陣営の“暗闘”はここから激しさを増しそうだ――。
FRIDAYデジタル
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