( 311331 )  2025/07/28 06:34:09  
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大阪・関西万博「電力館・可能性のタマゴたち」の完全予約制を案内する看板=26日午後、大阪市此花区の夢洲(彦野公太朗撮影) 

 

大阪・関西万博のパビリオンを予約する公式サイトで、来場3日前の午前0時に始まる「空き枠先着予約」を巡る混雑が解消されつつある。アクセスの殺到で深夜に数万人が待機する状況だったが、システム強化や不正行為の排除などで改善が進んだとみられる。ただ、空き枠自体はわずかで、万博に連日通うリピーターは「まだ予約はしにくい」とも。会期末に向け人出の増加も見込まれ、再び「争奪戦」が加熱する可能性はある。 

 

日本国際博覧会協会(万博協会)のパビリオン予約システムには、国内館の大半や海外館の一部など30館余りが参加。来場2カ月前と7日前に一定の抽選枠を設けている。協会によると、2カ月前抽選の当選枠は300未満や1千未満などで、7日前の枠も多くは300未満。協会は当選率を2カ月前で平均8割程度、7日前で平均5割程度と公表するが、抽選に何度も挑戦するリピーターは「人気パビリオンは10回以上の抽選で1回当たるのがやっと」と明かす。 

 

来場3日前の午前0時からは、2回の抽選で当選が出なかった空き枠を先着で予約できる機会もあるが、限られた枠を目指しサイトにはアクセスが殺到。「順番にご案内しております」の表示とともに、アクセス待機者が数万人にのぼる事態が連日続いた。大阪府の吉村洋文知事も5月末、報道陣の取材に「(システムの)容量が足りないとの声がある。協会にシステムの強化をお願いしている」と述べていた。 

 

ただ、最近は混雑も解消の傾向がみられる。実際、3日前先着が始まる直前の今月24、25両日の午後11時50分過ぎにアクセスを試みると、ほぼ待機することなくアクセスできた。協会の広報担当者は「常にシステムの改善は図っている」とのみ答え詳細の説明を避けるが、容量の増強なども図ったもようだ。 

 

また、3日前先着を巡っては、午前0時よりも前にルールを逸脱した手法でアクセスするケースがあり、他の人が予約を取れない問題も浮上。協会は今月10日、「不正行為」を検知すればサイトから強制排除する仕組みを導入したと公表した。不正行為の詳細について、協会は「セキュリティーの観点から答えられない」とするが、3日前先着を巡る不正に対処したとみられる。 

 

混雑の解消傾向について、万博に通期パスを使って通う大阪市内の40代女性は「最近は猛暑で来場者が少し減っていることも要因では」とし、来場者が増える会期末に再び混雑する可能性もあるとみる。一方で、女性は「連日深夜の3日前先着に参加すると、寝不足で体がもたない」とも嘆く。協会は深夜の先着開始について「変更の予定はない」としている。 

 

 

 
 

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