( 311336 ) 2025/07/28 06:36:26 0 00 トランプ大統領(左)とウルズラ・フォンデアライエン委員長(写真はいずれもロイター)
【ロンドン=中西梓、ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ大統領と欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は27日、関税交渉を巡る首脳会談を英国で始めた。米国にとってEUは中国に次いで貿易赤字額が多く、合意できるかどうかが注目される。
会談は、トランプ氏所有のゴルフ場があるスコットランド西部ターンベリーで始まった。トランプ氏は冒頭、「EUとは何年も良い関係だったが、取引は一方的で、米国にとても不公平だった」と述べた。フォンデアライエン氏は「我々は世界でも最も大きい二つの経済だ。成功すれば最大の取引になるだろう」と応じた。トランプ氏は記者団から交渉が成立するか問われ、「五分五分だ」と語った。
米国はEUに対し、8月1日から計30%の「相互関税」をかけると通知しており、ロイター通信などによると、輸入自動車も含めて税率を15%に引き下げる方向で合意に近づいている。鉄鋼・アルミニウム製品の追加関税は50%で維持する方向で調整している。ラトニック米商務長官は27日、米FOXニュースのインタビューで「問題は、大統領が設定した30%の関税を撤回するだけの価値がある市場開放という適切なディール(取引)をEUが提示できるかどうかだ」と語った。
交渉が不調に終われば、米国はEUに8月1日から計30%の相互関税を課すとみられる。EUも米国に対し、8月7日以降に計930億ユーロ(約16兆円)相当の報復関税を発動する方針だ。
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