( 311356 )  2025/07/28 06:54:46  
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Bloomberg 

 

(ブルームバーグ): 自民党内の混乱が続いている。石破茂首相は続投する考えを重ねて示すが、参院選の大敗を受けて辞任を求める声が拡大しているからだ。同党は28日に両院議員懇談会を開くが、首相ら執行部の対応次第で党内の亀裂が深まる可能性がある。 

 

「一切の私心を持たないで国民のために、あるいは国の将来のために身を滅してやる」。石破首相は26日放映されたNHKのインタビューで引き続き政権を担う考えを示した。日米関税交渉でのトランプ政権との合意についても「実行するのはこれからだ。私どもとして責任を持たねばならない」と指摘した。 

 

続投意向を崩さない首相だが、当面は28日の両院議員懇談会で理解が得られるかが焦点となる。笹川博義農林水産副大臣らは緊急事項を議決する権限がある両院議員総会の開催を求める署名活動を行っており、辞任圧力を強めている。 

 

退陣論は笹川氏や鈴木英敬衆院議員ら閣僚経験のない中堅・若手議員が口火を切ったが、その後、一部地方組織にも拡大。26日になると茂木敏充前幹事長が自身のユーチューブ番組で、党の再生には「リーダーも含めて主要なメンバーも決めてやり直していく姿」が必要と指摘し、首相を含めた執行部の交代を主張した。 

 

河野太郎前デジタル相は27日、フジテレビの番組で、参院選の結果について「少なくとも過半数を失うというのは選挙で負けたわけで、何らかの組織としてのけじめは必要」と述べた。首相が国政を停滞させてはいけないと主張するのであれば、少なくとも国政とは距離のある党のトップとしての森山裕幹事長がまず責任を負うべきだと強調した。 

 

擁護の声も 

 

一方で、石破首相を擁護する声も出ている。参院選で当選した鈴木宗男氏は自身のブログで、岸田文雄前政権下で明るみに出た旧派閥の「裏金問題」が尾を引いていると指摘。参院選大敗を首相一人の責任にするのは「フェアではない」との見解を示した。船田元衆院議員もSNSで首相続投を支持した。 

 

 

こうした中、木原誠二選挙対策委員長は27日、NHKの番組で、首相が参院選をどのように総括するかについて、両院議員懇談会で「しっかりと議論していきたい」と述べるにとどめた。 

 

毎日新聞が26、27両日に実施した全国世論調査によると、石破内閣の支持率は29%で前回の6月調査から5ポイント上昇した。次の首相にふさわしい人のトップは石破首相で20%を占めた。支持政党別の内閣支持率は、自民党支持層が70%、公明党支持層が4割超だった。 

 

(c)2025 Bloomberg L.P. 

 

Takashi Hirokawa, Yuki Furukawa 

 

 

 
 

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