( 312356 )  2025/08/01 05:39:18  
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金融政策決定会合を終え、記者会見する日本銀行の植田和男総裁(31日、東京都中央区の日銀本店で)=武藤要撮影 

 

 日本銀行の植田和男総裁は31日の金融政策決定会合の終了後、記者会見を開いた。日米の関税交渉の合意について「大きな前進だ」と評価し、「日本経済の不確実性の低下につながると考えている」と述べた。今後の関税の影響については、「予断を持たずに丁寧に見ていきたい」と説明した。 

 

 追加利上げについては、「経済・物価情勢が改善し、基調的な物価上昇率が高まっていくという見通しの確度や、リスクを確認しながら先行きの利上げの是非やタイミングを毎回の決定会合で適切に判断していく」と述べた。 

 

 一時的な要因を除いた「基調的な物価上昇率」に関しては、「目標とする2%に向けてゆっくり上昇が続いている」と指摘。消費者物価指数の上昇率は3%を超える水準が続いていることについては、「(物価上昇に対して金融政策が後手に回る)ビハインド・ザ・カーブ現象に陥っているとは見ていない」と述べた。 

 

 日銀は31日の決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を4会合連続で0・5%程度に据え置くことを決めた。四半期に1度まとめる「経済・物価上昇の展望(展望リポート)」も公表し、2025年度の消費者物価指数の上昇率の見通し(政策委員9人の中央値)を、5月公表の前回リポートの2・2%から2・7%へと引き上げた。 

 

 

 
 

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