( 312672 ) 2025/08/02 05:54:51 0 00 読売新聞
福岡県の最低賃金改定の是非や改定幅について検討する福岡地方最低賃金審議会(会長=丸谷浩介・九州大教授)が31日、福岡市で開かれ、北九州市の高齢者福祉施設で外国人技能実習生として働くミャンマー人女性(24)が最低賃金の引き上げを求める立場で意見を述べた。厚生労働省によると、技能実習生が中央や地方の最低賃金審議会で意見陳述するのは全国初とみられる。
最低賃金審議会では労使双方の関係者らから意見聴取している。女性は福岡県の審議会の公募に応じ、発表者の一人に選ばれた。
女性は、母国で起きたクーデターの影響で国立大を中退し、父親も失業。家族の生活を支えるため来日し、県の最低賃金(現在は時給992円)で働いているが、家族への仕送りを除くと、食費や生活費に使えるお金は月4万、5万円ほどしか残らないという。審議会では「最低賃金が1500円になれば、手元に残ったお金で将来に向けて勉強できる。大幅な引き上げをお願いしたい」と訴えた。
一方、使用者側からは「人件費高騰は利益を圧迫する要因となる恐れがある」といった意見が出た。
国内の技能実習生は昨年末時点で45万人を超え、過去最多となった一方、内閣府の推計では賃金水準は同じ条件の日本人と比べて20~30%程度低いという。
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