( 312782 )  2025/08/02 07:41:59  
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FORZA STYLE 

 

キラキラネームや漫画・アニメのキャラクター名など、個性的な名前を子どもにつけるケースが後を絶たない。2025年5月に戸籍法が改正され、すべての氏名に「読み仮名」の記載が義務化されたことをきっかけに、改めて「名前」のあり方が問われている。 

 

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法務省によると、改正戸籍法は「読み仮名の社会的通用性」を重視しており、戸籍に登録できる名前の読み方に一定の制限が加わった。具体的には、著しく漢字の意味や読みから逸脱したものや、公序良俗に反すると判断される読み方については、今後不受理となる可能性がある。 

 

子ども相談員の白尾里子氏はこう話す。 

 

「背景には、これまで常用漢字・人名用漢字の使用という制約があったものの、読み方に明確なルールがなかったため、黄熊(ぷう)や光宙(ぴかちゅう)など、一部では極端ともいえる名前が認められてきた実情があります。アニメ・漫画などのキャラクター名に着想を得た名前だけでなく、推しの名前を子どもに!という人もいますよね。これは昔からあることでもあります」 

 

名前は一生ついて回るものであるが故に慎重に選んで欲しいと話す。 

 

「子ども自身がその名前とどう向き合っていくかという視点が重要です。名づけの時点では想いが込められていても、成長過程で名前によってからかわれたり、意味を問われたりするケースは少なくありません。最近はインターネット上に個人情報が残る時代でもあるため、名前が特定につながるリスクも考えるべきです」 

 

また、学校や就職時に読みづらさや誤解を招く名前がトラブルの原因になることもある。教育現場では「読み間違いを避けるために、名簿にふりがなを徹底する」といった対応も行われているが、「名前の違和感」がコミュニケーションに影を落とす場面は決して少なくない。 

 

一方で、親が「自分らしさ」を投影するような名づけを選ぶのはなぜか。 

 

「少子化が進み、子どもに託す期待やアイデンティティがより色濃くなる今、名づけは“親の物語”の延長線として語られることもありますよね。子どもを所有物として扱う感覚なんです」 

 

今回お話を聞いた女性は、娘夫婦が人気漫画キャラクターの名前を孫につけたと話す。 

 

「鬼滅キャラの名前にしたい!と言われて何かと思ったら、堕姫と聞いてへっ?ってなりました。漫画自体も知らなかったので本当にどうしてこんなことになってしまったのか。コロナ禍だったということもあり、名付けが行われてから知りました。2人は相当な思い入れがあるようで、こちらの声は届きません。次に生まれた双子にも同じようにキャラの名前をつけようとしていて、私としては本当に孫が不憫でたまらないと言うのが本音です」 

 

進言したがもちろん聞き入れてはもらえなかった。 

 

「確かに私の子ではありませんから言う権利はないのかもしれないけれど、やっぱり大人になった時に困る名前はよくないと心から思います。孫たちがもし心を痛めるようなことがあったら、手を差し伸べてやれるよう長生きしなきゃと思っているところです」 

 

孫たちにつけられた名前の真相は【関連記事「年寄りにはわかんないよ」で一刀両断。孫につけられたキラキラネームの真相と名前の公共性】でお読みいただける。 

 

 

 

【取材協力】子ども相談員|白尾里子氏 【聞き手・文・編集】常田真悠 PHOTO:Getty Images 【出典】総務省 

 

 

 
 

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