( 312893 )  2025/08/03 04:52:32  
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会見する林芳正官房長官=1日、首相官邸 

 

 イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に終わりが見えない中、先進7カ国(G7)のうち英国やフランス、カナダが9月にパレスチナを国家承認する方針を表明した。 

 

 停戦に応じないイスラエルに外交的圧力をかける狙いだが、日本はイスラエルとその後ろ盾である米国に配慮し、慎重に対応する構えだ。 

 

 「平和の進展を後押しする観点から、適切な時期や在り方も含め、引き続き総合的な検討を行う」。林芳正官房長官は1日の記者会見で、パレスチナの国家承認について、こう述べるにとどめた。一方、パレスチナとイスラエルが両立する「2国家解決」実現を目指す考えも強調した。 

 

 中東和平を巡り、欧米諸国が宗教問題や複雑な歴史的経緯を抱えているのに対し、日本は中立の立場にある。パレスチナ支援にも取り組んできており、インドネシアやマレーシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)域内のイスラム国家と協力して独自支援も行ってきた。 

 

 日本政府はパレスチナへの人道支援は継続しつつも、国家承認については判断を先送りする見通しだ。日本は対話による2国家解決を目指す立場で、パレスチナ国家承認のカードを切ればイスラエルの猛反発を招くのは必至。米国が一貫してイスラエルを支持しているという事情もある。 

 

 外務省幹部は、英仏などによる国家承認について「それぞれの国内事情もある」と指摘。別の幹部は「日本には米国やイスラエルとの関係もある。追随する理由はない」と強調した。  

 

 

 
 

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