( 313263 )  2025/08/04 06:36:44  
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 販売好調で我が世の春を謳歌していた中国・BYDだが、どうも雲行きが怪しくなってきた。期間&車種限定ではあるが中国本土で値下げを行い、EVメーカー各社が値下げ合戦に突入。勝つのは誰だ!?いや、そもそも勝者は存在するのか? 

 

※本稿は2025年6月のものです 

文:角田伸幸/写真:BYD 

初出:『ベストカー』2025年7月26日号 

 

 急成長を続ける中国のEV産業だが、ここへきて「息切れ」ともとれるような動きが起きている。それが中国本土での値下げだ。 

 

 事の起こりは2025年5月下旬、BYDが王朝や海洋といった主力ブランドの22モデルの価格を、6月末まで引き下げると発表したこと。小型EVの海鴎(シーガル)で20%、PHEVセダンの海豹(シール)07については、なんと34%も値段を引き下げたのだ。 

 

 各社も負けてはいられない。吉利汽車がすぐさま対抗値下げを発表すると、新興のリープモーターなどもディスカウントに走った。もはや消耗戦という見方もあり、体力のない中小メーカーなどは淘汰される可能性も出てきている。 

 

 当のBYDだが、輸出などは依然好調なものの、1〜4月の累計販売が138万台に留まり、このままでは年間目標の550万台に届かない。 

 

 今回の値下げはこれを補う挽回策というわけだが、値下げ発表以降、BYDを含む中国EVメーカーの株価は下落しており、市場の「疲れ」を報じるメディアも少なくない。 

 

 事態を懸念した中国政府も過度な値引きを批判し始めた。この動きどうなる? 

 

 

 
 

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