( 313383 ) 2025/08/05 03:12:39 0 00 衆院予算委員会で答弁する石破茂首相=4日午前、国会内
石破茂首相は4日の衆院予算委員会で、戦後80年の節目に合わせ、戦争検証を柱とする「見解」の公表に意欲を示した。
「形式はともかく、風化を避け、戦争を二度と起こさないため、発出は必要だ」と強調。ただ、時期に関する言及はなかった。
公表を巡り、首相は15日の終戦記念日や、日本が降伏文書に調印した9月2日は見合わせる意向。今後、慎重にタイミングを探る構えだ。
立憲民主党の野田佳彦代表が「何らかのコメントを出すべきだ」と求めたことへの答弁。首相は「わが国が今年、世界に向けて何を発出するか、私自身の思いとして強いものがある。いろいろな意見を踏まえながら、より良きを期していきたい」と述べた。
歴代政権では、戦後50年に村山富市首相(当時)、60年に小泉純一郎首相(同)、70年に安倍晋三首相(同)が「談話」をまとめ、閣議決定している。
首相は、各談話の「積み重ねは大事にしたい」との考えを示した。その上で「何を言わなければならないかは(過去の)談話を子細に読んで判断したい」と説明した。
同時に「なすべきことは(当時日本が)何を誤ったのかということだ」とも指摘。先の大戦について「政治システムがなぜ歯止めたり得なかったのか、きちんと考える必要がある」と訴えた。
閣議決定を伴う談話に関し、首相は自民党で保守派の反発が根強いことなどを考慮し、既に見送りを決めている。一方で、戦後80年の発信を重視しており、有識者への意見聴取なども踏まえ、個人としての見解を示したい考えだ。
もっとも、参院選大敗を受けて党内は退陣論が拡大。物価高騰対策の取りまとめや、日米関税合意の実施など、重要な政治課題も山積しており、見解の公表も断念せざるを得ない可能性がある。
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