( 313388 ) 2025/08/05 03:18:16 0 00 参院選の街頭演説に集まった有権者ら=東京・銀座で2025年7月19日、本社ヘリから
生活保護を利用している人や、外国人に対するバッシングがあります。なぜそんなことをするのでしょうか。生活困窮者支援に取り組み、「生活保護と外国人」(明石書店)の著書がある、つくろい東京ファンド事務局長の大澤優真さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】
◇ ◇ ◇ ◇
――最近の状況をどうみていますか。
◆私は在留資格が得られず非正規滞在となった仮放免の人たちなど外国人の支援もしているので、外国人へのバッシングがあることは以前から感じています。
けれども、2025年のはじめごろに国民民主党や参政党がとりあげるようになってから、これまでとは違うレベルで強くなっているように思います。
群馬県桐生市で、生活保護費を1日1000円ずつ手渡しするなどの異常な運用があったことについても、「桐生市は悪い」としたうえで、なぜかその次に外国人が攻撃されることがあります。
25年6月には国が生活保護基準を1割引き下げたことが最高裁で違法とされましたが、それについても、裁判の内容とは直接関係のない外国人が攻撃される現象がおきました。
◇意図的に排外主義あおる政治家
――なぜそうなるのでしょうか。
◆一つは外国人と身近に知り合うことがない人たちがいて、事実誤認や誤った先入観があります。
もう一つは政治家です。私はこの人たちのなかには正確な事実を知ったうえで、意図的に事実と異なることを言って排外主義をあおっている人がいるとみています。
三つ目は、事実にそもそも関心がない人たちです。アクセス数を稼げればなんでもよく、批判されるとすぐに削除するような人たちです。
この三つが入り組んでいるように思います。
――どうすればよいのでしょうか。
◆一つ目の人たちについては事実を示していけばよいと思いますが、二つ目の事実を知っている政治家については、事実を示しても無視しますので、説得は困難です。旧大蔵省や財務省の官僚だった政治家が政府統計を見ないで発言しているとは思えないからです。
◇人気取り
――そんなことをしてなんの得になるのでしょう。
◆結局、人気取りでしょう。外国人とか、外国人ではなくても障がい者や生活保護を利用している人などの少数者をたたくということです。「どうせ弱い人たちだから、たたいてもよいだろう」ということです。
政治家は人気取りでやっているわけですから、有権者の人たちが事実を知って相手にしなくなれば、やらなくなるのではないかとも思います。
政治家のなかにも事実をふまえて発言する政治家はいます。そうした方たちがもっと評価されるようになればよいとも思っています。
――政治家に開き直られると困ります。
◆政治家としての基本的な部分が崩れていると思います。「日本人ファースト」と掲げるのは外国人が優遇されていると言いたいのでしょうが、日本の外国人人口の割合は3%です。97%が日本国籍を持っているのに日本人ファーストと言われても意味がわかりません。
政治家にはたとえ票がとれると思ってもこれは言ってはいけない、ということがあるはずです。最近、急速に変わっているのではないでしょうか。(政治プレミア)
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