( 314058 )  2025/08/07 05:13:57  
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参政党の神谷宗幣代表(春名中撮影) 

 

先の参院選(7月20日投開票)では、複数の米欧メディアが参政党を「極右」と報じた。参政党が掲げた「日本人ファースト」という選挙スローガンを排外主義の表れと警戒した。世界三大通信社の一つであるロイター通信は、欧州で伸長する右派政党のイメージに重ね、参政党の動向を追っていた。 

 

参政党による外国人問題への警告と日本人ファーストの主張が参院選を「揺るがしている」とロイターが報じたのは7月17日。20日の投開票に先立つ世論調査で参政党の勢力伸長が見込まれると伝えられ、世間の注目が集まっていた時期だった。 

 

記事は、参政党の成り立ちについて「新型コロナウイルスの感染拡大期にユーチューブで誕生し、ワクチンとグローバルエリート層の陰謀論を拡散させた」と懐疑的な視点で紹介。一方で、神谷宗幣党代表の「以前は移民問題を取り上げた人はみんな左派に攻撃された。今回、私たちは非難されているが、支持も得られている」という発言を紹介し、外国人問題に関する日本の世論の変化を伝えた。 

 

参政党は、参院選で新たに14議席を獲得。ロイターは21日、「極右の参政党」が日本の政治の主流に浸透し、「最大の勝者」として台頭したと分析した。 

 

■「移民の静かな侵略に警告」 

 

21日配信の記事は、神谷氏の「日本人ファーストはグローバリズムに抵抗することで日本人の生活を再建することを意図した表現。外国人を禁じるとか日本から出ていくべきだとは言っていない」との発言も紹介。他方、参政党が支持を得られたのは「移民の静かな侵略」に対する警告などによるものだとしている。 

 

記事は、神谷氏が選挙前のロイターの取材にトランプ米大統領の「大胆な政治スタイル」に刺激を受けたと語っていたことも紹介。参政党には、今年の大型選挙で躍進した「ドイツのための選択肢(AfD)」や「リフォームUK」といった欧州の右派政党との類似点があるとした。 

 

■「欧州の極右模倣視野」と報道 

 

また、参院選後の動向も踏まえた25日配信の記事では、参政党は「欧州での極右グループの成功を模倣することを視野に入れている」と伝えた。 

 

 

ロイターが参政党との比較で言及したトランプ氏やAfD、リフォームUKに共通する重要政策は、厳格な移民政策。つまり、不法移民の国外退去だ。 

 

トランプ氏が不法移民の退去を訴え、昨年秋の米大統領選で勝利したことはよく知られている。AfDは今年2月の独総選挙で第2党に躍り出た。リフォームUKも5月の英イングランド地方選での「歴史的躍進」が伝えられた。 

 

参政党を巡っては、右派ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭は世界的な政治の潮流だとし、今後も勢力拡大は確実だとの見方も出ている。 

 

ロイターは、25日配信の記事の末尾を、参政党に抗議する人の声を引用し「私たちはあなたを見ている」と結んだ。ロイター自身が持つ「極右政党」への警戒心を、日本の有権者の一部の声を借りて示す形となった。 

 

 

 
 

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