( 315243 ) 2025/08/11 05:56:15 0 00 その昔、100万円があれば現金一括払いで軽自動車を買うことができた。今では新車を買うことは出来ないが、100万円は「大金」であることに変わりはない。ここでは「100万円で購入可能な中古車」を、伊達軍曹どのに選んでいただいた!!
※本稿は2025年7月のものです 文:伊達軍曹/写真:日産、ダイハツ、ホンダ、トヨタ、マツダ、三菱、スバル 初出:『ベストカー』2025年8月10日号
「ベストカー的100万円ショップ」における品揃えの中心となるのは、やはり国産車のユーズドカーだ。
もちろん近年は中古車の相場も全般的に高騰しており、例えばごく普通のカローラセダンであっても、現行型の平均価格は約190万円。今や中古車も決して爆安ではないのである。
だが同時に「中古車も安くはない」というのは、あくまでも限定的な話でしかない。現行型世代ではなく先代、あるいは先々代あたりの世代に目を向けてみれば、依然として総額100万円以下の中古車などゴロゴロ転がっている。
しかもそれは大衆的で実用的なモデルだけでなく、いい意味で癖のあるモデルの数々も、総額100万円以下で多数販売されているのだ。そういったモデルの良質物件を探し出せたなら、100万円という予算も「充分以上だった!」という結果になるだろう。
こちらで紹介している11モデルの中古車は、いずれもなかなかステキな選択肢であるはずだが、個人的に最もバリューが高いと感じるのは、三菱 デリカD:5の前期型4WD車だ。
存在感があるデザインと佇まいであることに加え、抜群の走破性により、購入した者のライフスタイルを大きく変える可能性すらある。それのまずまず良質な物件をせいぜい90万円ほどで入手できる事実は、「僥倖!」と叫ぶほかない。
「スポーティなクルマ」こそが、なんだかんだで自動車界の花形。そして総額100万円以下に絞った場合でも、けっこうナイスなひとクセあるスポーティモデルの中古車を見つけることは可能だ。
●日産 フェアレディZ(Z33)注目相場:60万円〜100万円
言わずと知れた最高出力280〜313psの3.5L・V6ユニットを搭載する国産スポーツカーの雄。
2025年7月上旬現在の中古車平均価格は約106万円で、やや割高な6MTではなく5速AT車を選べば、総額80万円前後の予算でまずまず良好な状態のバージョンTを入手可能だ。
●ダイハツ コペン(現行型)注目相場:80万円〜100万円
新たな骨格構造「D-Frame」に直3ターボを組み合わせた軽オープンスポーツの秀作。
今あるクルマにこれをプラスして2台体制にすれば、中途半端なクルマ1台のカーライフより何倍も充実した毎日が送れる気がしないか?
●ホンダ CR-Z注目相場:40万円〜100万円
1.5LエンジンにインサイトのIMAシステムを組み合わせたハイブリッドスポーツ。
二度目のマイナーチェンジを行った後期型は100万円以上だが、最初のマイナーチェンジを経た2013〜2015年式の中期型は総額90万円前後で検討可能だ。
総額100万円以下の予算でゴージャス系車種を狙うのは、基本的にはややリスキーなのだが、「若干人気薄な車種」に狙いを定めれば、けっこういい感じのコンディションの中古車も見つかる場合が多い。
●トヨタ MIRAI(初代)注目相場:60万円〜100万円
水素と酸素を用いる燃料電池車。モーター駆動ならではのリニアでパワフルな加速感も魅力だが、高級車としての上質感と優雅な乗り味を堪能できる一台でもある。
燃料電池スタックは新車時と比べれば劣化しているかもしれないが、体感できるほどのレベルではない。
●レクサス HS注目相場:70万円〜100万円
2.4Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドや全体の質感は「超上質!」というほどではないが、それでもレクサスらしい「味」は堪能できる。
●日産 スカイライン(V37)注目相場:70万円〜100万円
スカイラインの現行世代。人気薄ジャンルのセダンなので、状態良好な中古を安価に入手できる。2014年式なら総額90万円前後でイケる!
●マツダ アテンザワゴン注目相場:50万円〜100万円
改名前のマツダ製フラッグシップワゴン。最後のマイナーチェンジを受けた世代は総額100万円以上が相場だが、それ以前の世代は総額90万円台で充分検討可能。
「アウトドアに強い」という、現代社会においてはけっこうなアドバンテージを有するのがフルタイム4WD車。そんな4WD車も、100万円以内の予算でもって余裕で探せる。
●三菱 デリカD:5注目相場:50万円〜100万円
下手なSUV以上の悪路走行性能を発揮するミニバン。流通している中古車の大半が4WDで、顔つきが大きく変わった後期型はさておき、前期型は総額90万円前後でイケる。
●スバル フォレスター(先々代)注目相場:80万円〜100万円
「実証。全方位SUV」をキャッチコピーとした中型SUV。最高出力280psの2.0XTや希少なMT車を含め、総額90万円前後でまずまず好条件な一台を探すことが可能。流通量豊富なので類似条件車を見比べやすいのも中古車としての美点。
●スバル レヴォーグ(初代)注目相場:70万円〜100万円
日本の交通環境に適したサイズのスバル製ワゴンで、駆動方式は全車AWD。総額100万円以下で狙えるのは最高出力300psの2Lターボではなく1.6Lターボ車が中心だが、動力性能は普通に充分。
●三菱 アウトランダーPHEV(初代)注目相場:80万円〜100万円
ランエボで鍛えた4WD技術とパジェロで築いたSUVノウハウを結集した、日常生活はほぼEVとして使用することもできるプラグインハイブリッドSUV。後期型はやや高いが、前期型はお手頃だ。
特にこれといってわかりやすい特徴は備えていないものの、妙に(地味に)いいクルマというのが、世の中にはけっこう存在している。
だがそういったクルマたちは、大衆にわかりやすく刺さる要素がないために大人気モデルとはならず、中古車市場においても地味めな値付けがされている。つまり「お買い得」ということだ。
そのような「地味にいいクルマ」は何車種かあると思うが、代表的なもののひとつは先代に相当するスバルのインプレッサスポーツ(2016〜2023年)だろうか。
スバルグローバルプラットフォームがもたらす走りは本当に素晴らしいが、あまりにも地味なせいか、中古車市場では今ひとつ人気薄。だがその結果、良質物件を総額90万円程度で入手可能なのだ。
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