( 315733 ) 2025/08/13 05:09:39 0 00 鈴木宗男参院議員
参院選惨敗を受け、石破茂総理は自民党総裁を続投する意思を表明しているが、党内では“石破おろし”の動きが起きている。そんな中、援軍として現れたのが、鈴木宗男参院議員だ。
鈴木氏は3度のがん手術から生還した経験を持つ。また収賄の罪で服役し、公民権が停止しても復帰。国会で議員辞職勧告されても無視。ロシアへの無断訪問で、維新から除名処分を受けても、「あなたの100倍以上も国益を考えて政治家として動いてきた」と怒りを示した。
そして今回、23年ぶりに自民党に復党し、“最後の挑戦”として参院選に挑んだ。一時は「落選」の報道が出て、いったん「政界引退」を表明したが、一転して当選を果たした。まさに“不死鳥”のごとく、幾度となくよみがえってきた政治家だ。
そんな鈴木氏は、当選直後から「ただやみくもに石破総理に責任を押し付けるのは、公平ではない。やはり“裏金議員”、不記載に対してのケジメがなってない」と発言。SNSでは「ド正論」「宗男さん、ごもっとも」と賛同の嵐となった。この発言がきっかけになったかのように、「
」がトレンドになり、「石破やめるな」デモまで起きた。
そんな鈴木氏に、自民党の両院議員総会の終了直後、ジャーナリストの青山和弘氏が独占取材を行った。選挙で敗北した総裁は辞めるべきと思わない理由について聞くと、「選挙統括を8月中にするというのだから、それを見て議論するべき」と返した。「参議院の当選組のヒアリングで『石破さん辞めろ』という声はなかった。『政策の発信が遅かった』『YouTubeの使い方が十分じゃなかった』『SNSに慣れていないから遅れを取った』など、自己反省の声がとてもあった」と振り返る。
「この選挙で辞めろというのは、短絡的すぎて筋が通らない」という鈴木氏は、その理由を「今、日米関税問題の最後の詰めに来ている。『自民党は一枚岩』『石破政権が強い』と見せないと、アメリカは見くびってくる。国益を考えるならば、『自民党は強い』『これからも政権を維持していく』と見せないと足元を見られてしまう」と語る。
選挙の敗因については、「北海道から沖縄まで遊説しながら一番言われたことは『裏金議員のケジメがついていない』『我々サラリーマンは年収450万円。その2倍、3倍、4倍、5倍、6倍を届け出しないで、誰も罰も受けなければ、責任も取っていない。鈴木さん、甘いぞ!』と怒られた。参院選、その前の東京都議選、衆院選、すべて裏金議員の責任は重いから、ケジメは今一度やるべきだと強調した」とする。
一方で、旧安倍派の幹部たちは、石破総理は辞めるべきだと声を上げている。萩生田光一衆院議員は「驚くことに開票の途中で続投を宣言した」、元自民の世耕弘成衆院議員は「選挙結果を見れば、交代しなければいけない」と発言。西村康稔衆院議員も「選挙で3連敗した責任はうやむやにできないし、すべきでもない。兎にも角にも総裁選をやるべきである」と求めた。
こうした動きに対し、鈴木氏は「裏金問題で政倫審にも呼ばれた人たちが、いけしゃあしゃあと“党内改革”と言う資格があるか。黙っていてもらいたい。そういう人たちが表に出るだけで、会合したというだけで、『ふざけるな。お前たち責任取ったのか?』と国民は反発する。『秘書がやった』『忘れていた』と逃げてばっかりで、『誰か責任取ったのか?』というのが国民の声だ」と批判する。
石破おろしをめぐっては、選挙戦をともに戦った娘・鈴木貴子衆院議員とも、意見が真っ二つに分かれている。茂木敏充元幹事長との対談で、貴子氏は「宗男恐るべし。ボスとは違う恐ろしさ。持ってる!」と述べつつ、石破氏については「選挙で夢を語れなかった、スリーアウトだ。やっぱり日本人はケジメを是とする。今回のこの厳しい結果、はっきり言えば『大敗』というのは真摯に受け止めて、受け止めましたということを形で示すしかない」と語っていた。
青山氏から「親子の間で意見が違う」ことへの受け止めを聞かれると、鈴木氏は「いいこと。私は私の考え、若い人は若い人の感覚での判断があっていい。ただ、徒党を組んだと思われることはしない方がいい。鈴木宗男は徒党を組まない」とコメントした。
今後の“仰天シナリオ”のひとつには、「鈴木宗男幹事長」もあるのではとの声が。しかし本人は「いやいや、まったく(ない)。私は森山幹事長抜きにして、国会運営はない。ここは石破総裁の判断。石破総裁は『余人をもって代えがたい』と当然そう言うだろう」と否定する。
23年ぶりに自民党へ復党したが、なぜこのタイミングで、一度は離れた自民党に戻ってきたのか。「今回の選挙のキャッチフレーズは『政治に喝!』『自民党を立て直す』。私は自民党で育ってきた政治家として、私の経験を少しでも生かしたい」。
インタビュー終了後には、“奇跡の当選劇”についても触れた。「NHKのシステム障害で、鈴木宗男の票が伸びていない。私は(比例得票順で)19番、20番で止まったままだった。今回は厳しいと(引退の)会見をやっていたが、3時間後に当確が出て、喜びが倍増した。みんな戻ってきてドラマになった。うちの娘は『やっぱり鈴木宗男は持つもの持っている』(と言っていた)」。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
ABEMA TIMES編集部
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