( 315833 ) 2025/08/13 06:54:41 0 00 独身仲間の友人は「8万円ほど」ふるさと納税したそうです! 私は「6万円」が限界だったのですが、稼ぎが違うのでしょうか?
「ふるさと納税」は、お得に返礼品がもらえ、節税にもなるとして、利用している人も多いのではないでしょうか。今回のケースでは、独身の会社員が、友人との会話の中で「8万円ほどふるさと納税をした」と聞き、自分は6万円が限度だったことに疑問を感じているようです。この差は収入の違いなのでしょうか?
この記事では、ふるさと納税の仕組みと、寄付できる金額の上限について分かりやすく説明します。
ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体に寄付ができる制度です。寄付をすると、その自治体から返礼品がもらえるほか、寄付した金額のうち2000円を超える部分が、所得税・住民税から控除されるという仕組みになっています。
例えば5万円を寄付した場合、実質の自己負担は2000円で、残りの4万8000円は所得税と住民税から差し引かれる、というわけです。お米やお肉、果物などの返礼品がもらえるうえ、節税にもつながるため、利用しているという人も多いでしょう。
ただし、いくらでも寄付すれば得になるわけではありません。自己負担額を除いた全額が所得税および住民税から差し引いてもらえる金額には「上限」があり、それを超えた分については全額控除の対象にならない点に注意が必要です。
ふるさと納税では、寄付した金額のうち自己負担分の2000円を引いた額が、所得税や住民税から差し引かれます。しかし、前述の通り、自己負担額を除いた全額が控除の対象となるには「年間上限額」が設けられており、誰でも無制限に控除されるわけではありません。
総務省によれば、この上限額は、ふるさと納税をおこなう人の給与収入や家族構成、社会保険料の額などによって異なります。例えば、独身で扶養家族がいない人の場合、表1のような目安になります。
表1
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出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税の仕組み 税金の控除について」を基に筆者作成
このように、年収が高いほど、ふるさと納税で全額控除される上限額も大きくなります。つまり、「いくらまで寄付すれば最大限お得になるか」は、人によって異なるというわけです。
自分は年間6万円までふるさと納税ができたけれど、友人は8万円できた……この2万円の差は、実際どれくらいの年収の差を意味しているのでしょうか。
前述の表1にある通り、独身で扶養家族がいない場合、年収が500万円程度であればふるさと納税の上限は6万円ほど、年収が600万円程度なら上限は7万7000円、さらに年収が650万円~700万円ほどあれば8万円以上の寄付も可能になってきます。
つまり、6万円と8万円という差は、おおよそ年収100万円~150万円程度の差と考えられます。
もちろん、ふるさと納税の上限額は厳密には年収だけではなく、社会保険料の額や、医療費控除の有無、住宅ローン控除の有無などによっても変動します。例えば、同じ年収でも住宅ローン控除を受けている人は、ふるさと納税の控除上限が下がることがあります。
そのため、ふるさと納税の上限を正確に知りたい場合は、ふるさと納税ポータルサイトなどで提供されている「シミュレーター」を使うと便利です。年収や家族構成などを入力するだけで、自分の上限額の目安を簡単に知ることができます。
ふるさと納税は、寄付という形で自治体を応援しつつ、実質2000円の自己負担で返礼品と節税の両方を得られるお得な制度です。ただし、無制限に控除されるわけではなく、「収入や家族構成などによって決まる上限額」を超えると、その分は自己負担となります。
6万円までしか寄付できなかった自分と、8万円寄付した友人との違いは、「ふるさと納税の上限額の差」、つまり「収入差」によるものである可能性が考えられます。ふるさと納税ポータルサイトで公表されている目安を基にすると、その差はおよそ年収で100万円~150万円程度でしょう。収入の状況が異なれば、寄付できる金額も変わって当然というわけです。
ふるさと納税をより効果的に活用するためには、まずは自分の控除上限を正しく把握することが大切です。「頑張ってもう少し寄付したい」と思うなら、まずは年末調整や確定申告で節税効果を確認しながら、シミュレーションしてみるのもおすすめです。
出典 総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税の仕組み 税金の控除について
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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