( 316258 ) 2025/08/15 05:14:36 0 00 市営住宅の駐車場に「新型アルファード」が!「600万」以上する車に乗っていても市営住宅に住み続けられるの?
市営住宅は、おもに低所得者向けに提供される公共住宅であり、間取りのわりに安い賃料で入居できることで知られています。
しかし、市営住宅の駐車場に、購入価格が600万円以上の新型アルファードのような高級車が停められている光景を、見たことがある人もいるかもしれません。そのような場面を目にして、「高級車を所有できるような人も住み続けられるの?」と疑問を抱く人もいるでしょう。
そこで本記事では、市営住宅の入居条件や車の所有が条件に与える影響にくわえ、収入が増加した場合の取り扱いについて、詳しく解説します。
市営住宅は、住まいに困っている低所得者向けに、国と市が費用を負担して建設した公営住宅です。まず、市営住宅の入居に求められる要件を確認しましょう。
■収入が決められた基準を下回っている必要がある 市営住宅の入居においては、所得が決められた基準を下回っている必要があります。地方自治体が管理する市営住宅は、「公営住宅法」に基づいて運用されており、第1条で「所得の低い者に対して住宅を供給する」ことを目的としているためです。
例えば東京都の都営住宅では、年間の所得が189万6000円以下であることが原則であり、月額に換算すると15万8000円以下であることが要件となります。所得は、世帯の年間の総所得額から該当する控除額を差し引いた金額を指します。ただし、扶養家族の人数などに応じて基準額は変動することに注意しましょう。
そのほか多くの市営住宅が、入居要件として「持ち家がないこと」を挙げているようです。
■車の所有は禁止されていない 市営住宅では、車の所有自体は禁止されていないことがほとんどです。神奈川県横浜市を例に挙げると、「市営住宅のしおり」に、1世帯につき1台の駐車場を申し込めると記載されています。
また、車種に関する制限はなく、高級車も除外されていません。つまり、購入価格が600万円以上すると考えられる新型アルファードのような高級車を所有しつつ、市営住宅に入居することについても、問題はないでしょう。
入居時の収入が決められた基準を下回っていても、その後、収入が増加することもあるでしょう。入居後に収入が増えた場合の取り扱いについて、見ていきましょう。
■一定以上の収入で「高額所得者」と見なされる 公営住宅法29条には、市営住宅に継続して5年以上入居しており、さらに最近2年間引き続き基準額を超える高額収入がある人を「高額所得者」と見なし、期限を定めて明け渡しを請求できることが定められています。都営住宅における、高額所得者の基準額は所得月額「31万3000円」です。
■明け渡しの猶予期間が与えられることも 入居後に収入が増加して高額所得者と見なされても、すぐに退去を迫られるわけではないようです。公営住宅法29条に「期限を定めて」とある通り、ある程度の猶予が設けられています。例えば、都営住宅では、明け渡し期限を6ヶ月と定めています。
購入価格が600万円程度と考えられる新型アルファードのような高級車を所有していたとしても、所得が決められた基準を下回っている場合は、市営住宅に入居できる可能性があります。市営住宅の入居資格は「収入」が重視され、車の所有や車種に関する制限は基本的にはないためです。
高級車を所有していても、必ずしも高収入であるとは限らず、決められたルールに則っていることも十分に考えられるでしょう。
出典 デジタル庁 e-Gov法令検索 公営住宅法(昭和二十六年法律第百級十三号)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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