( 316458 )  2025/08/16 03:51:00  
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辻さん夫妻と夢空ちゃん(辻さんのインスタグラム@tsujinozomi_official) 

 

タレント辻希美さんと夫の杉浦太陽さんの間に生まれた第5子となる次女の名前が「夢空(ゆめあ)」と発表された。 

 

辻さんは8月15日、インスタグラムを通じて「家族みんなが納得する名前が良かったので家族で沢山話し合った」と報告。杉浦さんも「何度も何度も家族会議して、みんなで決めた名前」とした。 

 

SNSや記事のコメント欄では、辻さんへのいたわりの言葉や祝福の言葉が寄せられたが、その一方で「読めない」「キラキラネーム」など子の名前に対する反応があふれた。 

 

あまりにひどいコメントであれば、法的に問題となるのだろうか。弁護士に聞いた。 

 

「キラキラネームを安易につける親は、子どもの将来を真剣に考えているとは言えない」 

 

記事のコメント欄やSNSには、批判的な意見のほか、いきすぎた発言に思える投稿もみられる。 

 

「子供の名前で親の知性がどれだけあるのかわかる。こんなDQNネームつける親にはなりたくないね」 

 

「感覚が完全にバグってるね」 

 

「やっぱり親のエゴが酷いな」 

 

辻さん、杉浦さんたち親に対する誹謗中傷、あるいは夢空ちゃんに対する誹謗中傷と捉えられる可能性はあるのだろうか。インターネットの問題にくわしい清水陽平弁護士に聞いた。 

 

──「夢空ちゃん」の名前に関するSNSやインターネットの投稿について、どのようなものが名誉毀損や侮辱と認定されうるのでしょうか。 

 

名誉毀損になるのは社会的評価の低下を招く内容が発信されている場合です。この件について投稿されているのは、名前自体や親に関する意見や感想に当たるものがほとんどといえます。 

 

意見や感想であっても社会的評価の低下を招くことはありますが、今回の内容はもっぱら人格に対する攻撃的な内容であるように思います。 

 

名誉毀損よりも名誉感情侵害(侮辱)の問題として捉えるほうが適切かもしれません。 

 

名誉感情侵害は、社会通念上許される限度を超えていると評価できる場合に成立するとされています。 

 

何をもって社会通念上許される限度を超えるかは、種々の要素を考慮することになりますが、人格攻撃に至っているようなものや、繰り返し投稿をおこなっているケースでは限度を超えていると判断されやすいといえます。 

 

指摘されているケースで言えば、『子供の名前で親の知性がどれだけあるのかわかる』で始まる投稿は、知性がないという指摘をしているものであるため、名誉毀損の問題にする余地はありそうですが、その他の投稿についてはもっぱら名誉感情侵害を問題にすることになるといえます。 

 

 

今回の内容は子どもに向けたものというよりも、名付けた親に対するものと見るべきものがほとんどではないかと思います。 

 

そのため、辻さんか杉浦さんのどちらを対象にしているのかという問題は若干出てくるかもしれませんが、行き過ぎた投稿については、親のどちらかが法的責任の追及をしていく余地は十分あるといえます。 

 

こうした投稿者の多くは「自分は意見を述べているだけで中傷しているわけではない」と考えていることが少なくありませんが、行き過ぎた意見を発信してしまえば、その意図にかかわらず責任を負う可能性があるということは意識したほうがよいと考えます。 

 

匿名であっても、法的措置をとることで賠償請求などされることがありえると肝に命じておくべきです。 

 

【取材協力弁護士】 

清水 陽平(しみず・ようへい)弁護士 

インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022~2023年) の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ・ドラマ「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を行っている。 

事務所名:法律事務所アルシエン 

事務所URL:https://www.alcien.jp 

 

弁護士ドットコムニュース編集部 

 

 

 
 

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