( 316476 )  2025/08/16 04:14:00  
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兵庫県知事の斎藤元彦氏は再任から9カ月が経過し、内部告発文書問題に対して強気の姿勢を維持している。

記者会見では情報漏洩に関する質問に対し、法令に則って対応していると答えた。

しかし、元県民局長の遺族の給与返納に関する質問がきっかけで、記者が県政から外される事態が発生し、兵庫県の政治環境が批判されている。

また、井ノ本氏が情報漏洩を知事の指示による正当な業務だと主張し、徹底抗戦の構えを見せている一方、斎藤知事は一切の指示を否定している。

知事の周囲には不安が広がっており、井ノ本氏の動向が注視されている。

(要約)

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斎藤元彦知事 

 

 兵庫県知事に再び就任してから9カ月近くが経過した斎藤元彦氏(47)。依然として内部告発文書問題に対する強気の姿勢を崩さない中、現在もその言動に注目が集まっている。 

 

 7月29日に実施された定例記者会見では、「漏洩(ろうえい)した情報がそのままになっているのではないか」との質問に「法令に則って要請している」と回答する一幕もあったが、特に話題を呼んだのが、ある一人の記者による“主張”である。 

 

 記者によれば、22日の定例記者会見で、亡くなった元県民局長の遺族が給与を返納したことについて質したところ、会社にクレームの電話が鳴りやまず、結果として県政の担当を外されたのだという。 

 

「記者が会見で質問をして、即日炎上して、翌日には配置換えが決まる。そういうことが兵庫県では起きます。これをまた成功体験にして、ネットの人たちがこぞって兵庫県に集まってくる。兵庫県はそういう遊び場になっている」と述べたうえで、最後はこう締めくくった。 

 

「いつも震源地にいるのは知事です」 

 

 あまりに直截な批判に聞こえるが、斎藤知事の過去の言動についての証言を振り返ってみると、この発言もうなずけるのだ。 

 

 *** 

 

 今年5月、兵庫県の第三者委員会は一連の問題についての調査結果を発表した。在阪民放局記者は言う。 

 

「知事を告発後に自殺した元県民局長のプライベートな情報が外部に漏洩した問題について、第三者委は半年にわたって調査してきました。その結果、元総務部長の井ノ本知明氏による情報漏洩が認定されただけでなく、知事が“漏洩を指示した可能性が高い”と指摘したのです」 

 

 これを受けた斎藤知事は「指示していない」との姿勢を崩すことはなく、6月には、自民党、維新の会、公明党、ひょうご県民連合の4会派が、井ノ本氏を刑事告発するよう県に要請している(以下、「週刊新潮」2025年6月12日号をもとに加筆・修正しました)。 

 

 

 一方の井ノ本氏は、停職3カ月の懲戒処分に付されたが、漏洩は知事の指示に基づく「正当な業務だった」と反論。処分の執行停止の申し立てを行う方針を示すなど、徹底抗戦の構えを崩していない。 

 

「最側近」とまで呼ばれた男が、ここにきて知事に不利な証言をしたのはなぜか。 

 

「知事への批判が激しくなっていた昨年7月、井ノ本氏は他の側近2人と共に知事室を訪れ、直接辞職を進言したことがありました。その際、“(側近と報道され)自分だけでなく、家族も誹謗中傷に遭っている。(このままだと)首をつりますよ”と言って辞職を迫ったそうです。ところが知事から“メンタルヘルスケアを利用してください。メンタルが大事ですから”と受け流され、ひどくショックを受けたといいます」(前出の県庁関係者) 

 

 井ノ本氏に事実確認を求めたが、代理人弁護士を通じて、 

 

「個別の取材には応じておりません」 

 

 と言うのみである。 

 

 知事に近しい関係者によると、斎藤氏はいまも周囲に「(漏洩指示など)一切言っていない」と話しているという。しかし、前出の県庁関係者は「内心では“窮鼠”となった井ノ本氏の動向に神経を尖らせ、不安気な様子だ」と打ち明ける。 

 

 鉄面皮の下でいま思うのは、焦燥か、恐怖か。 

 

デイリー新潮編集部 

 

新潮社 

 

 

 
 

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