( 316523 )  2025/08/16 05:07:01  
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 NEXCO中日本は2025年8月15日、中央道の「諏訪湖SA」上下線を「6時間だけ全面閉鎖」します。 

 

 この措置は「道路を安全にご利用いただくために必要な閉鎖」だといいます。 

 

 一体どういうことなのでしょうか。 

 

中央道 諏訪湖SA(画像:PIXTA) 

 

 諏訪湖SAは長野県諏訪市(上り線)と岡谷市(下り線)にあるSA(サービスエリア)です。 

 

 中央道名古屋方面と長野道を接続する岡谷JCT手前にある規模の大きい施設で、観光客の利用も多いほか、長距離ドライバーにとっても便利な施設となっています。 

 

 場所はSAの名称の通り諏訪湖の至近の高台にあり、湖の南岸からは直線距離にしてわずか300mほどに位置していることから、諏訪湖を一望できるビュースポットとしても知られています。 

 

 さて、その諏訪湖では8月15日に「第77回諏訪湖祭湖上花火大会」が開催されます。 

 

 1949年(昭和24年)から続く由緒正しい大会で、湖上で開催される花火としては全国的に有名な大会です。 

 

 大スターマインやナイアガラなどの迫力のある演出はもとより、破裂音が周囲の山に響き渡り、ほかの大会では味わえない魅力ももちます。 

 

 そうしたことから、毎年地元だけでなく首都圏などからも観客が押し寄せ、約50万人の来場者数を記録するほどの人気となっています。JRでは東京方面などからの臨時列車を多数運行するほか、高速道路は諏訪ICから会場までが大渋滞となります。 

 

 ことしの大会は19時から開始され、終了は21時頃を予定。打ち上げ場所は諏訪湖の東岸で、打ち上げ数は公表されていません。 

 

 諏訪湖SAはこの花火大会を見るにはちょうどいい距離にあり、しかも高速さえ乗ってしまえばタダで見られるという「特等席」として、ひそかに人気となっています。 

 

 しかし例年、この「無料特等席」たる諏訪湖SAで花火を見たい利用者が殺到。花火大会終了まで施設を占領しています。 

 

 SAは高速道路利用者の「休憩所」が本来の役割ですが、こうした花火タダ見客が集結したことで駐車場が満車になり、トイレ休憩や買い物など、適切な利用が全くできなくなる事態に発展しました。 

 

 さらに、すでに満車状態となっているにもかかわらず、それでもSAで花火を見たい人が次から次へと現れ、「SA入場待ち」渋滞が発生。最終的には中央道の本線上まで列が伸び、諏訪湖SAを先頭に大渋滞を引き起こすことになりました。 

 

 このように花火タダ見客のせいで、SAの正しい運用ができなくなったことに加え、中央道の交通流、ひいては関東〜信越〜中部の高速ネットワークにまで影響を及ぼすことになったのです。 

 

 今回、NEXCOは花火大会に備え、対策を講じました。「6時間だけSAを全面閉鎖する」という措置です。 

 

 閉鎖は、花火打ち上げ開始の4時間も前の15時から実施され、数時間前にSAに来て場所取りをするという行為もできなくさせる、徹底した対策です。 

 

 駐車場はもちろん、店舗も営業を休止し、施設への入館も不可能となります。さらに、閉鎖時はすでに駐車している車両も「全車退出」させるという、徹底した閉め出し措置が行われます。 

 

 NEXCOは「SAからの花火観覧はおやめください」と呼びかけるとともに、「休憩はお早めに他の休憩施設をご利用ください」としています。 

 

※ ※ ※ 

 

 なお、諏訪湖SAが閉鎖されることにより、上り線は約14km先の中央道原PAまで、下り線は約15km先の辰野PA、もしくは13km先の長野道みどり湖PAまで休憩施設はありません。 

 

 いずれのPAも混雑が予想されるため早めに休憩をとり、花火大会前後の時間帯は別ルートに迂回したり、時間を変えるなどが必要です。 

 

くるまのニュース編集部 

 

 

 
 

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