( 316848 )  2025/08/17 05:40:41  
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伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト) 

 

 8月1日 、天皇皇后両陛下と愛子内親王が静岡県下田市・須崎御用邸でご静養されるため、JR東京駅からへ伊豆急下田駅に向けて出発された。その際、特別車両「JR東日本E655系電車(なごみ)」が運行された。 

 

 E655系は、皇族の専用車両「お召し列車」としての使用を目的のひとつ に製造された特別車両。皇族専用の特別車両であるTR車を連結した6両編成での運行は、令和に入ってから2019年9月28日の一度のみ 。 

 

 その珍しい車両を一目見ようと、東京駅のホームには多くの愛好家たちが詰めかけたという。大手紙皇室担当記者が語る。 

 

「E655系は基本的にグリーン車のみ5両編成の団体専用車として運行されますが、皇族の方が乗車される『お召し列車』として運行される際は、特別車両であるTR車を連結した6両編成となり、日章旗や菊花紋章が掲出されることが通例となっています。 

 

 今回はご静養のためのご移動なので、通常通り、5両編成での運行 となりました。それでも電車を撮影するために訪れたファン、いわゆる“撮り鉄”の方々がホームに殺到。XなどのSNSでは当日のホームの様子 が投稿され、物議を醸しています」(大手紙皇室担当記者) 

 

 ネット上では、当日の警備体制や混雑状況、両陛下の安全面を懸念する声が噴出。拡散されている動画には、一部〈(前列の人に)しゃがめよ! しゃがめってマジで!〉〈しゃがめおい、年金生活!〉 など愛好家が声を荒らげる様子が収められており、議論を呼んでいる。 

 

 皇室ジャーナリスト・神田秀一氏が解説する。 

 

「電車愛好家の方々が『お召し列車』を撮影しようと詰めかける騒動は、2019年9月28日に6両編成での運行を含めて、 これまでもたびたびあります。警備や安全面の都合から運転状況などは一般にアナウンスされないはずなのですが、愛好家たちはどこからか情報を得て詰めかけてくるんです。現代ではインターネットで情報収集するのが当たり前ですが、そうでない昔の時代から問題視されています」 

 

 JR東日本の担当者に当日の状況を問い合わせたところ、「当日はご自身が列車を利用されるためにいらしたお客様も多く、E655系を撮影するために訪れた方の人数は推測が困難です」とのこと。くわえて、「警備をしたことは事実です」との回答が得られた。 

 

 気になるのは、SNS等で拡散されている映像のような状況が混乱やトラブルを招かなかったのかという点だが、担当者曰く「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」とのこと。また苦情などついては「当社へのご意見は特にございませんでした」という。 

 

 前出・神田秀一氏が続ける。 

 

「昭和天皇の頃はよく移動手段に電車を使われていました。もともと原宿駅の近くには皇室専用の通称『宮廷ホーム』 があり、ご静養や巡幸の際はそこから出発されていました。明治神宮が近いこともあり、都合が良かったのではないでしょうか。当時はそこに関係者が集まり、両陛下が出発する前に警備等の打ち合わせをされることもありました。 

 

 ただ現代においては、皇族の方々が電車で移動することへの懸念も増えつつあります。電車移動を控えられることも可能性としてはゼロではありません。とはいえ、現代においても、万全な移動手段はなかなかないため、鉄道会社も含めた関係者各位、何かと気苦労が絶えない状況なのかと思われます」(同前) 

 

 両陛下が心から“和む”ことができたご移動であったことを祈る──。 

 

 

 
 

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