( 316963 ) 2025/08/18 02:54:10 0 00 自民党麻生太郎最高顧問を巡る関係
自民党で総裁選前倒しの可能性が浮上する中、麻生太郎最高顧問の動向が注目されている。党内で唯一残る派閥を率いているためで、今後の党内政局のカギを握る麻生氏の元には「ポスト石破」候補ら有力議員が次々に訪れる。ただ、麻生派は近年の総裁選では支持する候補者の一本化の見送りが続いており、派内が一枚岩となれるかも焦点となる。
7月23日、東京・永田町の党本部。麻生氏は菅義偉、岸田文雄の両首相経験者とともに石破茂首相と向き合った。関係者によると、麻生氏は「石破自民党では選挙に勝てないことが明らかとなった。対応すべきだ」と迫った。自らの首相時代、石破首相から退陣を突き付けられた麻生氏だが、首相に対して「退陣」など直接的な言葉を使うのは避けたようだ。
麻生氏はその2日後の麻生派幹部らとの会合で、周囲に「(首相は)一方的に説明するだけで、進退のことは何も言わなかった」とぼやいた。
派閥パーティー収入不記載事件を受け、党内の派閥が相次いで解散する中、麻生氏は派閥の存続を決めた。参院選では複数の派閥所属候補が落選したが、現在も党所属議員295人のうち43人の「塊」として一定の存在感を放つ。
昨年の総裁選に出馬した「ポスト石破」候補は麻生氏との関係を重視する。先月23日に高市早苗前経済安全保障担当相、今月6日には小泉進次郎農林水産相がそれぞれ麻生氏を訪ねた。茂木敏充前幹事長は麻生氏との会合を重ねている。
一方、直近2回の総裁選で麻生派は支持する候補者の一本化を見送った。派内には総裁選に3回出馬した河野太郎前デジタル相がいるものの、政策の違いから「誰か担ぐとしても、河野氏はない」(同派幹部)と河野氏でまとまる様子はない。
麻生氏は前回総裁選の決選投票で高市氏の支援に回ったとされるが、次期総裁選も支援するかは未知数だ。
自民は総裁選前倒しの是非の検討に入ったが、党則6条4項では党所属の国会議員と都道府県連の代表各1人の総数の過半数の要求がある場合、総裁選を行うと規定。要件を満たす要求が集まるかは不透明な状況だ。
首相は強まる退陣圧力に対し、日米関税交渉などを理由に当面続投する姿勢を崩していない。麻生氏は最近、周囲に「辞めさせるのは、簡単じゃねえぞ」と漏らした。(長橋和之、今仲信博)
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