( 316988 ) 2025/08/18 03:25:14 0 00 石破茂首相(中央)=8日午後、東京・永田町
時事通信社の8月世論調査によると、7月の参院選を踏まえ、石破茂首相は辞任すべきだと「思わない」(39・9%)が「思う」(36・9%)をわずかに上回った。ただ、自民党支持層に限ると、「思わない」65・9%に対し、「思う」は24・6%。反対派が賛成派を圧倒した。(時事通信解説委員長 高橋正光)
◆賛成24%、党内抗争に冷ややか
調査は8~11⽇に、全国の18歳以上の2000⼈を対象に個別⾯接⽅式で実施。有 効回収率は56・9% ⽯破茂政権は昨年10⽉の衆院選に続き、参院選でも与党で過半数を維持できず、国⺠ の信任を得られなかった。続投した⽯破⾸相は、「民意を軽視した」と言える。
一方で、大敗した参院選の総括もしない段階で、裏金事件を引き起こした旧安倍派ら党内の非主流派議員を中心に、総裁選の前倒しを求める「石破降ろし」が繰り広げられている。調査結果からは、自民党支持者の多数が、こうした動きを冷やかに見ていることが読み取れ、党内抗争が長引けば、8月調査で1年3か月ぶりに16%を切った同党の支持率(15・7%)がさらに低下する可能性が高そうだ。
参院選で同様に敗北した公明党の支持層は、自民支持層以上に「石破降ろし」に懐疑的なようだ。辞任すべきだと「思わない」が71・4%で、「思う」はわずか14・3%。
◆立民と参政・国民、賛否に違い
主な野党の支持層について見ると、立憲民主党は、辞任すべきだと「思わない」(52・4%)が「思う」(27・0%)を大きく上回った。これに対し、参政党は「思わない」16・3%、「思う」69・8%。国民民主党は「思わない」27・3%、「思う」55・8%。参院選で改選議席の維持にとどまった立民支持者と、躍進した参政、国民両党支持者とで、石破首相に対する評価の違いもうかがえる。
◆「次期首相」、無党派1位は小泉氏
8月調査では、次期首相にふさわしい国会議員について、14人を挙げて質問した。それによると、上位5人は、トップが自民党の高市早苗前経済安保相で15・9%。これに、小泉進次郎農水相が14・6%と僅差で続き、以下、石破首相11・3%、国民の玉木雄一郎代表5・7%、河野太郎元外相3・3%の順だった。
自民支持層に限定すると、1位は石破首相24・6%、2位は小泉氏21・2%、3位は高市氏19・6%で、上位3人が抜け出ている状況に変化はなし。ただ、4位には小林鷹之元経済安保相が4・5%で入り、5位は岸田文雄前首相と林芳正官房長官が3・4%で並んだ。
政党の支持率調査で回答の5割を占める「支持する政党はない」無党派層では、トップは小泉氏の15・6%。以下、高市氏12・8%、石破首相7・6%、河野氏3・5%、玉木氏3・2%と続いた。
このほか、旧民主党の流れをくむ立民、国民両党の支持層について見ると、立民は野田佳彦代表が20・6%とトップながら、石破首相(19・0%)ときっ抗。3位は小泉氏(9・5%)で、玉木氏は1・6%。
国民は1位の玉木氏が31・2%で、次いで高市氏19・5%、石破首相5・2%の順。野田氏は1・3%。石破首相が退陣すれば、国会で首相指名選挙が行われるが、立民、国民それぞれの支持者の意識を考慮すれば、どちらかの党首に首相候補を一本化するのは、かなり難しそうだ。
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