( 316998 )  2025/08/18 03:37:34  
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親子仲は良くなかった 

 

群馬県桐生市で14日夜、同市内の市立中学校に通う中3の男子生徒A(15)が医師の父親を刺殺した事件。殺人の疑いで逮捕された男子生徒は16日、前橋地検へ送検された。男子生徒は同級生に「お父さんが嫌い」「家に極力帰りたくない」と漏らし、夏休み期間中も友人宅を泊まり歩いていたという。 

 

男性生徒Aは事件発覚前日の13日、自宅で同居する医師の父の基文さんの首や腹などを包丁で数十回刺して殺害した。 

 

14日午後10時過ぎに、1人でJR桐生駅近くの交番を訪れて「父親を刺した」と出頭するまでの間、「14日午後に市外で開かれたイベントに友人と行った」と供述しているという。 

 

少年は4人暮らしで、母親と妹は県外に帰省中で、事件時は父親と2人きりだった。警察官が男子生徒の自宅に駆けつけると、父親がすでに死亡していた。死因は出血性ショックだった。 

 

近隣住民によると、1カ月前に家庭内のトラブルでパトカーが男子生徒の自宅に駆けつけていたという。男子生徒と同級生の息子を持つ40代男性の家庭内トラブルの詳細を明かす。 

 

「息子がAと同じ中学校に通っており、何度もうちに遊びにきていました。明るくてどこにでもいるような少年です。『こんにちは』『お邪魔しています』などあいさつがちゃんとできる子で、こちらからあいさつをすると必ずお辞儀して返すいい子という印象。 

 

根暗だとか、問題を起こす不良という印象はない。息子とはゲームをしたり、自転車で近隣に出かけたりしていた。 

 

ただ、同級生の間で、Aは父と仲が悪いことで有名でした。1カ月前に家にパトカーが来たとして、近所で話題になったのです。心配した息子がAに聞くと『父とけんかをしてしまった』と話したそう。もみ合いになり、殴り合いにもなったとか。 

 

とはいえAの顔など目立つところにアザなどはできていなかった。日常的に暴力を受けていたなどの話は聞いたこともないし、アザなども見たことがないと息子は話しています」 

 

思春期特有の反抗期だった可能性もあるが、男子生徒と父親の間には“距離”があったようだ。男性が続ける。 

 

「周囲には『家に極力帰りたくない』と話していた。理由を息子が聞くと、詳しい内容は話さなかったものの、『お父さんが嫌い』『性格が合わない』って、去年の夏ごろにも息子からそんな話を聞いている。泊まり歩くのは長期休みのときだけではなく、土日なども外泊したがっていたようだ。 

 

ウチも2〜3カ月前に息子から『Aくんが泊まりたいと言っているけどいい?』と相談を受けたことがある。別に悪い子ではないし、いいよと返事をしたものの、結局Aの都合でなくなった。この夏休みも複数の友人宅に泊まり歩いていたようだ」 

 

 

男子生徒は桐生市内にある市立中学校に通っており、サッカー部に所属していた。運動神経が良く部内でも活躍しており、蛍光色の派手なスパイクを使用していたという。 

 

いっぽう、父親は同市内出身で、進学校である県立高校を1995年3月に卒業後、2003年3月に福島県立医科大学を卒業と同時に医師免許を取得した。 

 

前出の男性は「Aは特段頭が良いわけではない。成績も中くらいだった」と話す。また、男子生徒が通っていた中学校PTAの関係者はAの両親についてこう語る。 

 

「授業参観などの学校イベントに出席するのは毎回お母様で、亡くなられたお父様の姿を保護者の間ではあまり見たことがないと聞いています。お母様は気さくで明るく、保護者間の雑談に参加されるなど、ほかの保護者との交流もあったそうです。 

 

Aくんが家庭内でどんなトラブルを抱えていたかはわかりませんが、亡くなられたお父様はお気の毒に...どんな理由があろうと、殺人は許されるものではありません」 

 

男子生徒が通っていた市立中学校は、お盆シーズンのせいか、9日から17日まで学校が閉校となっており、校舎は開いておらず教職員は不在。 

 

前出のPTAの関係者は「学校から保護者宛てにまだ何も連絡がない。少年と近かった同級生はショックも大きく、心のケアが必要。週明けの18日になにかしらの動きがあるといいのですが…」と不安を漏らした。 

 

男子生徒は県警の調べに対し「間違いない」と容疑を認めているが、“礼儀正しいサッカー少年”がなぜ父親の命を奪ってしまったのか。動機の解明が急がれる。 

 

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 

 

集英社オンライン編集部ニュース班 

 

 

 
 

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