( 317153 ) 2025/08/18 06:36:18 0 00 国土交通省は今月下旬、高速バスの運行ルールを改正する。出発した時点や途中で満員になった場合はその先の乗車専用停留所に止まらず、目的地まで直行できるようにする。後続便を増発することが条件。運転を効率化して所要時間を短縮し、人手不足の運転手の負担を軽減する。
想定しているのは、主に空港と市街地を結ぶ高速バス。現行ルールでは、例えば成田空港の第3ターミナルの停留所を出発した時点で満員になっても、事前に決めたルートをたどり、第2、第1ターミナルの停留所にそれぞれ停車しなくてはならない。
このため、乗客からは「満員で乗れないのに、なぜ止まるのか」といった苦情が運転手に寄せられるケースがあり、業界からルール改正を求める声が上がっていた。
今回導入する新ルールでは、満員時に降車用の停留所まで直行する場合、乗車専用停留所で待っている利用客のため、後続に別の便を運行することが条件となる。また、「直行運転」する際には、その旨をネットなどで利用客に伝える仕組みの導入もあわせて事業者に求めている。
昨年始まった残業規制もあり、バスの運転手は全国的に不足している。日本バス協会の試算では、令和12年時点での運転手数は全国で9万3千人に減少する見込みで、必要な人員より約3万6千人足りなくなる。高齢化や若手が定着しないことが課題だ。国交省旅客課では、新ルールについて「それほど大きな変化ではないが、運転手の労働環境を改善できるのではないか」としている。(織田淳嗣)
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