( 317158 ) 2025/08/18 06:38:49 0 00 住宅ローン利用予定の9割以上「住宅ローンを払いきれるか不安」 ※画像はイメージです(umaruchan4678/stock.adobe.com)
マイナス金利が解除され、金利の上昇圧力が高まりつつあるなか、住宅ローン利用者・利用予定者は今後の見通しをどのように予測しているのでしょうか。株式会社LIFULL(東京都千代田区)が運営する不動産・住宅情報サービス『LIFULL HOME'S』がこのほど発表した「住宅ローンに関する意識調査」によると、住宅ローンを利用中の約7割が「住宅ローンを払いきれるか不安」と答えた一方、住宅ローンを利用予定の人では9割以上が同様の不安を抱いていることがわかりました。
調査は、10年以内に住宅を購入し、住宅ローンを利用中(以下、購入者)の826人と、5年以内に住宅を購入し、住宅ローンを利用予定(以下、購入検討者)の1099人を対象として、2025年7月にインターネットで実施されました。
まず、購入者には「現在組んでいる住宅ローンの種類」、購入検討者には「検討している住宅ローンの種類」について聞いたところ、共に「変動金利」が最多となった一方で、その割合は購入者が64.1%(25年1月調査(以下「前回調査」)69.7%)、購入検討者が56.0%(前回調査57.3%)と前回よりも選択割合が低くなり、購入検討者の金利上昇への懸念は依然として強く、購入者でも同様の不安から一部固定金利への借り換えが発生している状況がうかがえました。
続けて、購入者には「住宅ローンを世帯年収の何倍で借り入れているか」、検討者には「何倍で借り入れる予定か」を聞いたところ、購入者は「4倍以上5倍未満」(22.1%)、購入検討者は「3倍以上4倍未満」(27.5%)が最多となりました。
一方で、前回調査では購入検討者の2位は「4倍以上5倍未満」(前回調査20.0%、本調査18.3%)だったのに対し、本調査は「2倍以上3倍未満」(前回調査17.2%、本調査19.5%)となりました。購入検討者は「4倍未満」の選択率が半数を超え(前回調査49.1%、本調査52.5%)、多額を借り入れることへの不安が増大していることが推察されます。
購入者に対し、「世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合」を聞いたところ、「2割以上3割未満」(37.8%)や「1割以上2割未満」(32.8%)などに回答が集まり、「1割以上3割未満」が約7割を占めました。
一方で、「3割以上」が前回調査の18.1%に対し、本調査では21.7%と増加しており、金利上昇の影響を受けて生活費が圧迫されている様子がうかがえました。
また、世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合別に「借入額に対する意識」を見ると、世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合が「1割以上2割未満」では「もっと減らせばよかった」が17.7%だったのに対し、「2割以上3割未満」になると24.5%、「3割以上」になると39.1%にまで増加しました。
次に、購入検討者に対し、「住宅購入に対する意向」を聞いたところ、「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」と「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」(いずれも41.9%)がトップとなりました。
前回調査と比べると「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」は-6.0ptと下がった一方で、「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」は+8.3ptと大幅に増加、「住宅価格の高騰が収まってから買いたい」も4.6pt増加しており、住宅ローン金利の上昇は規定路線とし、住宅ローン控除や住宅価格へ意識を切り替えている人が一定数いることが見て取れました。
購入者・購入検討者双方に対し、「今後1年間の住宅ローン金利の見通し」を尋ねたところ、「上昇(何かをきっかけに大きく上昇する+ゆるやかに上昇する)」の予測をした割合は購入者が49.0%(前回調査48.1%)、購入検討者は69.7%(前回調査68.3%)となりました。
また、「住宅ローンを払いきれるかの不安があるかどうか」について、「大いに不安がある」と回答した購入者は24.7%(前回調査18.7%)だったのに対し、購入検討者は57.4%(前回調査50.2%)と過半数を占めました。いずれも前回調査より大幅に増加。
「不安を抱いている割合(大いに不安がある+やや不安がある)と答えた割合は、購入者が69.9%(前回調査67.8%)に対し、購入検討者は93.2%(前回調査90.1%)となり、前回調査よりも乖離が大きくなりました。
「固定金利(全期間固定型)」以外の住宅ローンを利用している購入者に対し、「金利の上昇に備えて行っていること」を聞いたところ、は「新NISAやiDeCo」(33.8%)、「預貯金」(30.1%)などが上位に挙がった一方で、「特に対策はしていない」が39.3%と、完済への不安はありつつも、対策を打てていない人が一定数いることがわかりました。
「金利上昇に備えた対策をしていない」と回答した人の理由としては、「特に理由はない/考えたことがない」(49.6%)、「対策をどう取るべきか判断がつかないから」(26.8%)などが上位となり、「そこまで金利は上がらないと思うから」(5.9%)や「金利が上がっても金銭的に余裕があるから」(4.3%)はいずれもごくわずかとなっており、金銭的な余裕がある訳でも楽観視している訳でもないものの、対策については考えられていないという状況がわかりました。
最後に、購入検討者に対し、「住宅ローンを選ぶ際に魅力的に感じるもの」を聞いたところ、年齢が高くなるほど選択率が高くなったのが「金利の低さ」(20代32.9%、30代52.0%、40代58.2%)、「保障付き(3or8大疾病・ガン保障特約団信など)」(20代36.2%、30代37.6%、40代43.4%)、「借入可能期間」(20代19.8%、30代26.2%、40代26.8%)でした。
また、「初期費用の低さ」(20代48.3%、30代46.2%、40代47.5%)は年代関係なくニーズがあり、「ペア連生団信(どちらか一方が亡くなったりした場合などに、夫婦両方の住宅ローン残債が保険金によって免除される団信保障)」(20代41.5%、30代38.0%、40代37.3%)は若年層ほど選択率が高くなる結果となりました。
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