( 317468 )  2025/08/20 02:55:19  
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渦中の“転売ヤー”を独自取材 

 

ポケモンカードの悪質な転売行為が問題となった、マクドナルドの「ハッピーセット」。 

 

関西テレビは、大量にこのハッピーセットを購入し、転売して10万円の利益を得たという渦中の“転売ヤー”を独自取材しました。 

 

カメラの前で語った、転売の手法と身勝手な言い分とはー。 

 

「神イベントです」 

 

8月、開催されたマクドナルドとポケモンのコラボ企画!景品は人気の「ポケモンカード」。 

 

“ポケカ”を求め朝5時から大行列! 

 

しかし…転売目的の客が商品を大量に買い占め。 

 

さらには…横行するフードロス。 

 

マクドナルドも謝罪する事態に追い込まれました。 

 

取材班は、騒動を引き起こした“転売ヤー”を独自取材。 

 

【”転売ヤー”】「“神イベ”でした。神イベントです。もう一回やってほしい…。悪いことしてるってあんま思わないですね」 

 

当事者が語った“我が身良ければの思惑”とは…。 

 

「並ぶ覚悟で…」と購入した客 

 

先週金曜日、早朝のマクドナルド。 

 

普段と変わらない様子に見えますが、実は“ある”ことへ警戒していました。 

 

【記者リポート】「マクドナルドの店の前には、1グループ合計3セットまでといった張り紙があります」 

 

この日は、「ハッピーセット」と人気アニメ「ポケモン」のコラボ第2弾発売の日で、購入制限を設けていたのです。 

 

【購入した客】「並ぶ覚悟で行ったんですけど、めっちゃ少なかったから、あれって思いました」 

 

景品の「ポケモンカード」を目的に大勢が… 

 

マクドナルドと客が警戒していたワケとは? 

 

ことの発端は、8月上旬にさかのぼります。 

 

【記者リポート】「朝5時なんですが、早朝にも関わらず、店の前には多くの人が行列を作っています」 

 

そのお目当てはというと…景品の「ポケモンカード」です。 

 

マクドナルドは8月9日から3日間、ポケモンとのコラボ第一弾として「ポケモンカード」が2枚ついてくるハッピーセットを発売。 

 

すると初日から客が押し寄せ、店内のカウンター前は身動きがとれないほどの、ギュウギュウ状態…。初日に在庫切れとなる店舗が全国で続出しました。 

 

なぜ、こんな事態に?その裏にあったのが…「転売ヤーによる買い占め」。 

 

いわゆる“転売ヤー”とは、定価で購入した商品をネットなどで、高値で転売し利益を得る人のこと。 

 

マクドナルドは「1人5セットまで」とするも、どう見てもそれ以上、購入する客が。 

 

ルールを無視した「転売ヤー」による買い占めが横行したため、異例の早さで売り切れとなったのです。 

 

 

メルカリに出品されたポケモンカード 

 

さらに、転売ヤーによる問題はもう1つ…。 

 

道路脇には、ポケモンカードだけが抜かれ、無残な姿となったハッピーセットが捨てられていました。 

 

こうしたフードロスの問題も浮き彫りとなりました。 

 

転売ヤーによる迷惑行為を予見し、マクドナルドは8月7日、大手フリマサイト「メルカリ」と、悪質な転売行為に対しては、利用を制限するなどの対策を行うと発表。 

 

一定の効果が期待されましたが…。 

 

【記者リポート】「メルカリには、多数のポケモンカードが出品されていまして、中には100枚セットが18万5000円のものもあります」 

 

マクドナルドは、転売対策などが不十分だったとして、謝罪する事態に追い込まれました。 

 

大学生兼“転売ヤー”を独自取材 

 

この騒動を引き起こした“転売ヤー”とは、一体、何者なのか…。 

 

取材班は、渦中の転売ヤーに接触。かえってきたのは、あきれた言い分でした。 

 

(Q.大学生兼“転売ヤー”でいいですか?) 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「別に大丈夫ですよ。それでお願いします(笑)」 

 

九州地方に住む大学2年生のAさん。服や靴などの転売で、月に20万円ほどを稼ぐ中、狙いをつけたのが、あのハッピーセットのポケモンカードでした。 

 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「海外の人気がすごいじゃないですか、ポケモン。もうけられるなって思ったすね、率直に今回。友人を使って70~80セットは、いった(買った)と思います」 

 

Aさんは、販売価格の4倍~6倍の値段でポケモンカードを転売。 

 

なぜポケモンカードがターゲットに… 

 

そもそもなぜ、ここまでポケモンカードは人気なのか…? 

 

堺市にあるカードショップを訪ねました。 

 

【カードショップONIGIRI 片山美由紀オーナー】「これに収録されている『イーブイ』というポケモンがすごく人気で、進化先のキャラクターが入っているので、キャラの人気もあり、箱自体がすごく高くなって。ことしに入ってからポケモンカード自体が“転売ヤー”に目をつけられてしまった」 

 

この店では悪質な転売を防ぐため、マクドナルドのポケモンカードは買い取りの対象外にしています。 

 

ポケモンカードを純粋に楽しむ人たちは、“転売ヤー”に強い憤りをにじませます。 

 

【来店客(30代)】「イラストきれいだったりするから、高く売れるのもわかるけど、ポケモンカードっていうプレイで使ってほしいカードなので」 

 

【来店客(小5)】「子供のためのハッピーセットやし、そもそも『ハッピーセットは金にするものじゃないぞ』って言いたい。他のことして働いて、お金もらえばいいのに」 

 

 

九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん 

 

こうした声に耳を傾けず“金になる”と確信し、ポケモンカードの転売を続けたAさん。 

 

そもそも、転売を始めたきっかけは何なのでしょうか? 

 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「一番、始めやすそうと思ったからです」 

 

(Q.そこまで稼ぎたい理由は?) 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「そのお金で友達と旅行をしたり、飲みに行ったりできるし、最近ハイブラ(ハイブランド=高級ブランド品)が欲しくなってきたので買ったり」 

 

商学部で学んでいる知識をいかし、転売で稼げるようになったというAさん。 

 

今回はマクドナルドで働く友人に協力してもらうなどして、ハッピーセットおよそ80セットを購入しました。 

 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「(友達に)『全部買い占められるなら買い占めるから、朝全部売って』って。でも、ちゃんと全部食べたっす。友達と一緒に朝から、ぜいたくしました」 

 

ほとんどをフリマアプリですぐに転売し、少なくとも10万円以上の利益を得ました。 

 

(Q.(ポケモンカードが)手元にきたときの思いは?) 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「うまいなぁ~って。まじでおいしいなぁ~と思って」 

 

(Q.1人あたり5セットの制限があるが?) 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「あれは機能していなかったです。全然ループできた(何回も買えた)。マックがあれは悪いと思う。“神イベ”でした!神イベントです!もう一回やってほしい…」 

 

「転売した自分ではなく、対策をしなかったマクドナルドが悪い」 

 

「転売した自分ではなく、対策をしなかったマクドナルドが悪い」と批判するAさん。 

 

「転売をやめるつもりはない」と話し、取材の最後カメラに向かって、こう言い放ちました。 

 

(Q.Aさんにとって転売は?) 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「人生を楽しむための手段にすぎないですかね」 

 

(Q.転売を批判する人については?) 

【九州在住の大学2年“転売ヤー” Aさん】「批判する時間があったら、自分で買う努力をした方がいいと思います。それくらいしか欲しいと思ってないということじゃないですか?その程度なのに、買えなかったから(転売を)批判するのはどうかと思う。努力したら買えるので、本当に」 

 

ロイヤーズ・ハイ 田中今日太代表弁護士 

 

一方、専門家は「法律で転売を防ぐことは難しく、企業側の対策が必要だ」と話します。 

 

【ロイヤーズ・ハイ 田中今日太代表弁護士】「直接的に法律で規制するのは、今の現行法上、難しい。であれば販売企業側が、自主的に規制をかけていくことが大事。炎上や風評のリスクがあると、消費者を裏切ることになるので」 

 

後を絶たない悪質な転売行為。 

 

欲しい人の手に行き渡るよう対策が急がれます。 

 

関西テレビ 

 

 

 
 

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