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ホテルのVIP向けラウンジの受付で働く、インドネシア出身のムハンマド・イルファンさん=2025年6月30日午後5時16分、沖縄県恩納村瀬良垣、浅田朋範撮影 

 

 総務省と厚生労働省の統計から、日本で働く労働者のうち外国人の割合を算出したところ、リーマン・ショック後の2009年は「112人に1人」だったが、24年には「29人に1人」に高まった。小学校にあてはめれば、4クラスに1人から、1クラスに1人の割合となった。人口減と高齢化で、15~64歳の生産年齢人口が減る中、外国人の割合が急速に高まっている。 

 

 参院選で外国人問題が争点の一部となる中、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの加藤真研究員の協力を得て、総務省の「労働力調査」と厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況」から、外国人の割合を算出した。全就業者6781万人のうち、外国人は230万2587人で、「29人に1人」の割合となった。 

 

 都道府県別では、東京都の「14人に1人」が最も高く、愛知県と群馬県の「18人に1人」が続いた。 

 

 09年との比較では地方の伸び率の高さが目立ち、沖縄県は8.1倍、鹿児島県は7.8倍、北海道は7.0倍だった。 

 

 産業別では、食料品製造業の「7人に1人」が最も高い。人手不足が深刻とされる宿泊業では「14人に1人」、飲食業では「13人に1人」。一次産業の農業は「30人に1人」、漁業は「19人に1人」だった。 

 

 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、生産年齢人口は、2025年の7310万人から40年に6213万人、70年には4535万人まで激減する見通し。現状の生産活動を維持するには、日本人労働者だけでは賄えない状況だ。 

 

 政府は24年3月、一定の知識や技術が必要な「特定技能」の受け入れ枠について、24年度から5年間の上限を、これまでの2.4倍にあたる82万人に拡大することを決定。対象分野に、自動車運送業や鉄道など4分野も追加し、計16分野に広げた。 

 

 また、途上国への技術移転による国際貢献を目的としていた「技能実習」制度を廃止し、27年4月から人材の育成と確保を目指す「育成就労」制度を始める。在留期間は原則3年だが、在留期間の上限が5年の特定技能1号や、家族を帯同でき、永住も視野に入れた特定技能2号へと段階的に移行できるよう一体的な運用をめざしている。(吉田美智子) 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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