( 317626 )  2025/08/20 05:58:41  
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北陸新幹線の敦賀以西の延伸計画が不透明となっており、「小浜・京都ルート」に対する反対意見が高まっています。

一方で、米原ルートの再検討も浮上してきています。

与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームはすでに小浜ルートを決定していますが、京都からの反発や参院選での米原ルート支持の動きが影響しています。

西田昌司参院議員や吉村洋文知事は再検討を求める姿勢を示し、議論は継続中です。

ただし、滋賀県知事やJR東海社長は米原ルートに否定的な意見を述べており、今後の行方は混沌としています。

(要約)

( 317628 )  2025/08/20 05:58:41  
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MBSニュース 

 

 不透明感を増す、北陸新幹線の敦賀以西の延伸をめぐる情勢。「小浜・京都ルート」に暗雲が立ち込め、一度は落選したはずの「米原ルート」が再び浮上してきている様相ですが、お盆休み前の“キーパーソン”らの発言をまとめました。 

 

MBSニュース 

 

 北陸新幹線の敦賀以西の延伸をめぐっては、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)が2016年12月、福井県の小浜市を通って京都駅まで南下する「小浜・京都ルート」をすでに決定しています。 

 

 しかし、トンネル工事によって生まれる膨大な建設残土や、地下水への悪影響、財政負担増を危惧する声が京都から上がっていて、特に「京都仏教会」が小浜・京都ルートを「千年の愚行」として強硬に反対しています。 

 

 さらに7月20日に投開票が行われた参院選では、「米原ルートの検討」を掲げた日本維新の会の新実彰平氏が京都選挙区でトップ当選。情勢は不透明感を増しています。 

 

西田昌司参院議員(今年7月) 

 

 与党PTで「敦賀・新大阪間整備委員会」の委員長を務める西田昌司氏は、参院選京都選挙区で次点で当選。「便益がまったくなかったために米原ルートは選ばれなかった」として、小浜・京都ルートを推す立場を崩していませんが、選挙の結果を受け、米原ルートも含めた再検討を与党PTで行っていくことを“容認”する構えを示しました。 

 

 西田氏は、その再検討の議論は「敦賀・新大阪間整備委員会」ではなく、与党PTの渡海紀三朗座長(衆院議員)のもとで行っていくべきという姿勢も示しています。 

 

自民・西田昌司参院議員(7月30日 自身のYouTubeチャンネルにて) 

「その方々(維新の新実氏)が圧勝しているので、その内容(米原ルート案)について、本当にそういう提案が可能なのかということを改めて検証してほしいということなんですね」 

「参院選で争点化されましたので、もう1度、虚心坦懐にしっかり検証して、私がやるのではなくて、親会の渡海先生のもとでやっていただいて、そしてその検証結果を国民や野党に示して、納得していただく、そういう手続きをまずやろうということを、私のほうから渡海先生や国交省側にお願いした」 

 

 

吉村洋文知事(8月7日) 

 

 日本維新の会の代表も務める、大阪府の吉村洋文知事は8月に入り、米原ルートも含めた再検討を求める要望書を国に提出しました。「比較検討」を強調しつつも、早期の全線開業に向けて“小浜・京都ルートに拘泥していては、らちが明かない”というスタンスを鮮明にしています。 

 

大阪府・吉村洋文知事(8月7日) 

「北陸新幹線を大阪まで1日でも早くつなぐという意味では、小浜・京都ルート、そして米原ルートを比較検討して、判断していくべきだと思います。小浜・京都ルートではなかなか理解が得られない状況になっている中で、きちんと比較検討しながら進めていくということが重要だと思っています」 

 

 吉村氏はまた、与党のPTだけではなく、超党派の会議体を設けて議論していくべきだという考えを示しています。 

 

滋賀県・三日月大造知事(7月29日) 

 

 一度は消えたはずの米原ルートに“追い風”が吹いているような現状ですが、滋賀県の三日月大造知事は「望まない」という立場を示していて、こう“牽制”しました。 

 

滋賀県・三日月大造知事(7月29日) 

「滋賀県知事が望んでいない、欲しいと言っていない米原ルートを言われることには、正直戸惑いを持ちますね」 

「今からルートを変えて、かつ新たな乗り換えなども発生するような形で整備することが果たして本当に望ましいことなのか。また望んでいない地域に線を引っ張っていくということを検討される場合、その負担というものを、誰がどのような形で分かち合っていくのか」 

「新幹線が通ってくることは大きな負担が伴います。これは財政もそうです。並行する在来線もそうです。こういった事々を総合的に考えて、新幹線の効果というものを見ていく必要もあると思いますので、そのあたりのことについては、今日時点においても米原ルートを望む方々に、丁寧に説明をしていく必要があると思います」 

 

JR東海・丹羽俊介社長(8月7日) 

 

 また、東海道新幹線を運行するJR東海の丹羽俊介社長は、8月7日に大阪市内で行った記者会見で、北陸新幹線と東海道新幹線の乗り入れについて否定的な考えを示しました。 

 

JR東海・丹羽俊介社長(8月7日) 

「記者)Q. 北陸新幹線と仮に米原で接続する場合、東海道新幹線として検討するべき課題は?リニア中央新幹線が全線開業して、東海道新幹線の過密ダイヤが緩和される段階になった時に、乗り入れの検討などは可能かなど、どのように現状を捉えているか?」 

「ダイヤの観点で申し上げれば、東海道新幹線はすでに大変密度の高いダイヤになっておりまして、米原駅から東海道新幹線に乗り入れるということは難しいという認識です。リニアの全線開業後にどうなるかという点は、全線開業は相当先の話であるので、いま議論できる段階ではないと考えています」 

 

 北陸新幹線の延伸ルートをめぐる議論は、今後も混沌としそうです。 

 

 

 
 

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