静岡県伊東市の田久保真紀市長に対し、伊東商工会議所や観光協会などの経済団体が辞職を求める要望書を提出した。

これは、市長の学歴詐称疑惑や、市議会からの辞職勧告、市の経済対策未実施を受けての措置であり、市政の混乱と経済の停滞が指摘された。

要望書を手渡す際、市長は具体的な回答を避け、「考慮させていただく」と述べるに留まった。

経済団体は、早急な市政の正常化を望んでいる。

（要約）

田久保真紀市長（左）に辞職を求める要望書を読み上げる伊東商工会議所の斎藤稔会頭＝静岡県伊東市で2025年8月20日、若井耕司撮影 

　静岡県伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称疑惑で伊東商工会議所など経済3団体は20日、「市政の早期正常化のため」として田久保市長に早期の辞職を求める要望書を手渡した。商議所のほか伊東観光協会、伊東温泉旅館ホテル協同組合が連名で要望した。 

　要望書では市議会の市長に対する辞職勧告決議や、市が経済対策の補正予算措置を講じていないことを挙げ、「市政は混乱し、市内経済は停滞している」と指摘。商議所の斎藤稔会頭が田久保市長の前で文書を読み上げたが、市長から回答はなかった。直後の報道陣の問いに「考慮させていただく」とだけ答えた。 

　要望後、斎藤会頭は「来年度予算などこれからいろいろな問題が出てくる。一日も早い正常化を求めたい」と語った。伊東観光協会の稲葉明久会長は「市長が伊東のイメージを落としている。長引くことによる影響は計り知れない」と話した。【若井耕司】