( 317998 ) 2025/08/21 07:53:40 0 00 斎藤元彦 知事(今月6日)
兵庫県の斎藤知事の疑惑を告発し、亡くなった元県民局長の私的な情報について、県の元総務部長が県議会議員に漏洩し、知事らがそれを指示したなどとして、神戸学院大学の上脇博之教授らが地方公務員法違反の疑いで神戸地検に提出していた斎藤知事ら3人の告発状を、地検が受理したことが、20日関係者への取材でわかりました。
兵庫県の第三者委員会は、今年5月に公表した報告書で、井ノ本知明元総務部長が元県民局長の私的な情報を県議3人に漏洩したことが認定されています。その後、元県民局長は死亡。自殺とみられています。
第三者委員会は、斎藤元彦知事と片山安孝元副知事が「漏洩を指示した可能性が高い」と結論付けていました。
刑事告発した上脇博之教授(今年6月)
これを受け、今年6月、神戸学院大学の上脇博之教授らは、井ノ本元総務部長の行為について「職務上知りえた秘密」の漏洩にあたると指摘。地方公務員法は命令をしたり、ほう助したりした者に刑事罰を科すとしていることから、斎藤知事、片山元副知事、井ノ本元総務部長の3人を地方公務員法違反の疑いで神戸地検に刑事告発しました。
刑事告発を受け、斎藤知事は「重く受け止めなければならない」と述べた上で、「今後、捜査等には全面的に協力していく」と語っていました。
この告発状について、神戸地検が受理したことが20日、関係者への取材でわかりました。今後は、検察が捜査を進めていくことになります。
7月9日の定例記者会見
斎藤知事は7月9日の会見で、元県民局長の私的情報が外部へ漏洩したことなどについて、県の人事課などを通じて遺族側の代理人に謝罪の意を伝えたことを明らかにしました。
謝罪の意を伝えた時期や内容などの詳細については「差し控える」とし、「直接謝罪をしたい意向はある」としながらも、遺族の意向などを踏まえ、現時点では行っていないと答えていました。
西播磨県民局が入る建物(兵庫・上郡町)
その後、7月17日の斎藤知事の会見で、元県民局長の遺族から給与の一部に相当する62万5000円が兵庫県に返還され、県が受け取っていたことが明らかになりました。
元県民局長は、文書問題の調査が本格化していた去年7月に死亡しましたが、県はその2か月前に元県民局長に対し、停職3か月の懲戒処分を下していて、理由として「勤務時間中に業務と関係ない文書を作成していた」ことなどを挙げていました。
これを受け、県民46人が今年3月までに「業務と無関係な活動に充てた時間について、県からの給与が支払われていたことは、不当な支出である」として、遺族に対し給与の返還を求めるよう、県に請求していました。
しかし、監査委員事務局は、4月に結果を公表し「給与返還請求を行わないこととした執行機関(県)の判断には正当な理由があり、返還請求を行っていない現状が違法または不要とは認められない」として、住民側の請求が棄却されたことを明らかにしました。
監査結果によりますと、給与の返還を求める場合、請求する金額を正確に算出するため、勤務していなかった時間を正確に把握する必要があるということです。しかし、監査委員は、すでに本人への聴取は不可能であるうえ、パソコン上に残る操作記録だけでは技術的に時間の把握は不可能であると判断したということです。
その後、県内に住む13人が、県に対して200時間分の給与に相当する金額として62万5000円を遺族から返還させるように求めた訴訟を提起しましたが、遺族側は自主的に同額を兵庫県に返還したということです。
遺族側の代理人弁護士は、「住民訴訟が長期にわたって継続することは望んでおらず、早期に訴訟手続きが終了することを希望しているため、お支払いさせていただきました。そっとしておいてほしいというのが強い希望です」とコメントしています。
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