( 318093 ) 2025/08/22 04:41:07 0 00 自民党鹿児島県連の会合に出席した森山裕幹事長(右から2人目)=20日、東京・永田町の同党本部
7月の参院選で与党が惨敗した後、引責辞任を示唆した自民党の森山裕幹事長の進退に注目が集まっている。
石破茂首相(党総裁)を支えつつ、少数与党の国会運営を切り盛りできる「適材」は見当たらず、首相も慰留する構えだ。総裁選前倒しの是非に関する手続きが進んでおり、森山氏の去就は政権の行方も左右しそうだ。
「世論調査の結果は、常に謙虚に受け止めなければならない」。19日の記者会見で、森山氏は報道各社の世論調査で首相の続投支持が根強いことに関し、こう語った。
森山氏は先月28日の両院議員懇談会で、参院選の総括後に「責任を明らかにする」と言及。その真意について「首相の盾となる気だ」「政権に引導を渡すのでは」と、さまざまな見方が飛び交った。その後、首相の早期退陣を求める党内の動きとは裏腹に、続投に理解を示す世論が少なくないことも判明。月末にも総括取りまとめが迫る一方、状況は複雑さを増している。
「本当の気持ちは分からない」。森山氏と親交の深い自民幹部も、胸中をつかみかねる。
党内基盤の弱い首相にとって、調整力に定評があり、野党や各府省にパイプを持つ森山氏の存在は、自らの弱点を補う心強い存在だ。「森山氏がいなければ政権は持たない」と周囲に話し、「幹事長は『辞める』と言ったわけではない」と留任への期待を隠さない。
後任として名前が挙がるのは、世論に一定の人気を保つ小泉進次郎農林水産相や、行政手腕に評価が高い林芳正官房長官。ただ、国対委員長を歴代最長の4年余り務め、党四役も歴任した森山氏と比べれば線の細さは否めない。
首相と距離を置く麻生太郎最高顧問の義弟、鈴木俊一総務会長も取り沙汰される。その場合、森山氏を副総裁に据えて、引き続き政権運営に関与させる案がある。もっとも、総裁選前倒しの議論が本格化する中、意中の候補に拒否されれば後任選びが難航しかねない。他の党幹部を含む「辞任ドミノ」へと波及する可能性もある。
森山氏は先の参院選で、地元の鹿児島選挙区で敗北したことを受け党県連会長を辞任する意向を伝達。20日の県連会合で翻意を促され、これを受け入れた。
「幹事長辞任は政権の命運に直結する。続投して職責を果たす責任の取り方もある」。旧森山派メンバーはこう話した。
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